「カードを新しく作りたいけど、国際ブランドについてよく知らない。アメックスは海外旅行に強いって聞いたけど、何だか敷居が高くて選びづらい……」
「JCBカードは海外では使えないって聞いたけど本当なの?」
クレジットカードを作る際に重要なポイントとなってくる国際ブランド。
カード会社によっては、カード作成時に複数の国際ブランドから選ぶ事ができますが、意外とそれぞれの違いって分からないもの。
ですが、どのようにカードを使いたいかによって、選ぶべき国際ブランドは大きく異なります。それぞれの特色を一度知ってしまえば、あなたがどの国際ブランドを選べば良いかは簡単に分かるんです。
そこで今回は、国際ブランドの特徴をブランド毎に総まとめ!
カードを作ったことの無い方でも聞いたことのあるようなVISAやJCB、アメックスをはじめ、最近できたばかりの銀聯カードやディスカバリーカードまでしっかりカバーしています。
更に、目的別のおおすすめ国際ブランドや、そもそも国際ブランドって何のことなの?という基本的な知識までバッチリ網羅しました。
記事を読んでいただければ、もう国際ブランドと聞いてうろたえることは無くなります。
用途に合った国際ブランドを選んで、カードのサービスを120%活用しちゃいましょう!
カードによって使えるお店が違う?国際ブランド毎の特徴をピックアップ!
クレジットカードは、付帯されている「国際ブランド」での支払いに対応する場所で使えます。
国際ブランドは、以下の7種類が存在します。
それぞれの特徴・選ぶメリットを解説するので、まずは各国際ブランドの違いをチェックしてみてください。
①VISA
VISAは1958年にバンク・オブ・アメリカによって創業されてから、世界中で使われている国際ブランドです。
- 世界でNo.1のシェアがあるので、国内・海外のどこでも使いやすい
- 旅行者向けの特典やキャンペーンがある
- ゴールドカードやプラチナカードには、さらに豪華な特典が用意されている
VISAは世界で一番加盟店が多い国際ブランドで、日本・海外・インターネット上のお店など、様々な場所で支払いに活用できます。
基本的に国際ブランド選びに迷ったら、使える場所が多い関係上、VISAを選んでおくのがおすすめですよ。
VISAの国際ブランドが付帯されているクレジットカードでは、旅行をお得に楽しめるキャンペーンや優待特典が提供されています。
例えば2019年6月時点では、VISAのクレジットカードを使えば、以下の3つを利用可能です。
- エクスペディアを利用して海外・国内ホテルに利用する際8%オフ、「海外・国内航空券+ホテル」料金2,500円オフ(税抜き10万円以上の利用時)
- Kaligoでのホテル予約時、特典のマイル贈呈が20%増量
- 東京オリンピックの観戦チケットや、オリンピックグッズが当たるキャンペーン
さらにゴールドカードでは特典が増え、2019年6月時点では以下のようなサービスを使えます。
<海外旅行者向け特典>
- 成田空港などの対象空港から自宅への荷物宅配が1個500円の特別料金に(2個目以降や自宅から空港へ送る荷物は15%オフ)
- 成田空港などの対象空港で、手荷物一時預かりが15%オフに
- Kaligoでのホテル予約時、特典のマイル贈呈が25%増量
- Wi-Fiルーターを25%オフでレンタルできる
<国内特典>
- ニッポンレンタカーのプレミアムカーレンタルが15%オフに
- 会員限定のワインを特別に購入できる
プラチナカードのVISAカードを持っている人は、以下のとおりさらに豪華な特典を利用できるます。
- 専用サイトでの申し込みにより、国内外旅行を5~10%引きで利用できる
- 対象のレストラン等で使える、5,000円相当の割引クーポン提供
- 対象のホテル内レストランなどで使える、3,000円相当の割引クーポン提供
- 空港送迎ハイヤーを10%割引で利用できる
- 国内外にある対象のゴルフコースを優待価格で利用できる
特典を活用すれば、生活をより豊かにできるでしょう。
使える場所が多く、特典も充実しているVISAは、国際ブランドで最も魅力的な選択肢です。
②MasterCard
MasterCardは1966年に設立され、世界中のクレジットカードに提供されている国際ブランドです。
本社はアメリカに存在しています。
- VISAに次いでシェアが高く、国内外様々な場所で使える
- MasterCard会員限定の優待や特典もある
- iPhoneなどのApple製品ユーザーは、Apple Payのアプリ内決済・オンライン決済を使える
MasterCardはVISAの次に人気の国際ブランドで、世界中に加盟店が存在します。
MasterCardを選べば、VISAと同様旅行にでかけたときなども支払いに使えず困ることは少ないでしょう。
MasterCardでは、旅行者向けの特典に加えて、レストランの優待などの日常生活中に活用できる特典も提供されています。
以下に主な優待・キャンペーンを一覧でまとめたので、参考にしてください(2019年6月時点での情報です)。
- 対象レストランで優待を受けられる「Taste of Premium」
- 登録したカードを使って対象加盟店で支払いをすれば、ボーナスマイルが貯まる「MasterCardトラベラーリワード」(6月30日に終了予定)
- MasterCard会員向けの、世界中の観光スポット・イベントなどの見どころを紹介するサイト「プライスレス・シティ」(英語サイトのみの提供)
- Reluxで8~12%の宿泊割引を受けられる
- 対象店舗での買い物で、ラグビーワールドカップ2019の観戦チケットなどが当たる
そしてMasterCardのクレジットカードは、iPhoneなどのApple製品向け決済サービス「Apple Pay」に登録すれば、対応サイトやアプリで支払いに利用できるのも見逃せません。
▶Apple Pay に対応しているアジア太平洋地域の銀行とカード発行元
日本や海外、iPhoneなどのApple Pay対応製品で支払いに幅広く活用したい場合は、MasterCardもおすすめの選択肢です。
③JCB
JCBは日本のクレジットカード会社「ジェーシービー」が展開している国際ブランドです。
- 日本発の国際ブランドで、日本国内に加盟店が多い
- 日本人旅行者の多いハワイや、空港などで使える特典が充実している
- iPhoneなどのApple製品ユーザーは、Apple Payのアプリ内決済・オンライン決済を使える
JCBはVISAやMasterCardと異なり、日本の企業が展開しているため、加盟店は日本に広く存在します。
海外でも、ハワイなどの日本人観光客が多い地域を中心に、加盟店が多く存在します。
また、JCBが自ら発行している「JCB一般カード」などのクレジットカードが存在することも、特長と言えるでしょう(VISAやMasterCardは、自らカードを発行していません)。
JCBは優待特典が充実していて、国内・海外旅行時などに特典を活用しやすいのも見逃せません。
主な特典やキャンペーンをまとめたので、参考にしてくださいね(2019年6月時点の情報です)。
- 専用サイト「たびらば」で、優待情報を確認できる
- JCB優待ガイドを提示・JCBカードでの支払いをすることで、対象店舗で優待を受けられる
- JCB空港優待ガイドのクーポンを利用・JCBカードで支払えば、優待を受けられる
- JCBプラザを利用し、海外でホテル・レストランの予約や観光案内などを利用できる
- 専用コールセンターで、旅行中のレストラン予約やトラブル対応などを受けられる
- 空港の免税店割引や、手荷物の優待宅配サービスなどを利用できる
- JCBカードの提示で、ハワイのワイキキ・トロリー ピンクラインへ無料乗車できる
- JCBカード会員向けキャンペーン・JCBマジカルに応募すれば、抽選でディズニーリゾートの貸し切りなどの特典が当たる
とくにディズニー好きの方は、ディズニーランドの貸し切りイベントなどが提供される「JCBマジカル」が毎年開催されているので、JCBが魅力的に感じられるでしょう。
そしてiPhoneなどのApple製品で使えるApple PayにJCBの国際ブランドが付帯されているクレジットカードを登録すると、対象アプリやサイトでの支払いができるのもメリットです。
国内や日本人観光客が多い海外で支払いに使ったり、優待等の特典を活用したりしたい人は、JCBも魅力的な選択肢となるでしょう。
④AMEX
AMEX(アメリカン・エキスプレス)は1850年にアメリカで運送業者として開業後、1882年より金融業を展開している歴史の古い会社です。
- AMEX限定の特典が充実している
- AMEXが自ら発行するカードは、ステータスが高い
- Apple Payで、アプリ・サイト内決済ができる
AMEXの会員は、以下のような特典を利用できるので、サービスに魅力を感じる方にはメリットが大きいと言えるでしょう(2019年6月時点の情報です)。
- エクスペディアで国内外のホテルを予約する際に8%オフに、ツアー料金は3,750円引きに
- 昭和シェル石油で、ハイオクガソリンの給油料金が2%キャッシュバックされる
- JapanTaxiアプリの決済に利用し、500円キャッシュバックを受けられる
- レストランなどの割引チケットを手に入れられる「LUXA」へ新規会員登録すれば、2,000円分のギフト券プレゼント
また、AMEXは自ら「アメリカン・エキスプレス・カード」などのクレジットカードを提供しています。
AMEXが自ら発行しているクレジットカードは、年会費が10,000円(税抜)以上など高額なケースが多くなっています。
AMEXのカードは年会費が高い代わりに、持っているだけでもしっかりとした支払い能力がある証明になります。
年会費が低い(1万円未満)クレジットカードだと持ち続けられる人は多く、持っていてもそれほど信用には繋がりません。
しかし、年会費が高いAMEXのカードは、安定した収入を得て暮らせていなければ負担が大きく、持ち続けられません。
ホテルや高級レストランなどでAMEXのカードをチェックインや支払い時に提示すれば、怪しまれサービスの利用を拒否される心配などはないのです。
さらに旅行では、合わせて年会費に見合った空港ラウンジなどの充実した特典も利用できます。
AMEXのクレジットカードは、iPhoneなどで「Apple Pay」に登録すれば、対応サイトやアプリでの支払いにも使えます。
限定特典やステータスの高さを重視する人にとって、AMEXは見逃せない選択肢となるでしょう。
⑤ダイナースクラブ
ダイナースクラブは本社がアメリカにある国際ブランドで、日本では1960年代から広く使われています。
ダイナースクラブを選ぶメリットは、ステータスが高いことです。
ダイナースクラブは自らクレジットカードを発行していて、持っていれば自らの収入や社会的地位の高さなどをしっかり把握してもらえて、丁寧にサービスを受けられます。
ダイナースクラブのクレジットカードは、年会費が通常でも22,000円(税抜)と高額となり、負担が大きいため気軽に発行できません。
ダイナースクラブのカードを持っていれば、「高額な年会費を支払い、カードを持ち続けられるほどの年収を得ている」と推測できます。
さらに大きな国際ブランドであるダイナースクラブ自身の審査に通過した人しか入会できないことも、社会的地位の証明になっているのです。
合わせてカードに付帯されている国内外空港ラウンジなどの特典を利用すれば、旅行をより充実させることもできますよ。
ステータス重視の方は、AMEXと並んで検討したい国際ブランドと言えるでしょう。
⑥銀聯カード(Union Pay)
銀聯カードは、2002年に中国で設立された中国銀聯が展開する国際ブランドです。
中国国内では、キャッシュカードやクレジットカードに銀聯カードの国際ブランドが付帯されたカードが広く普及しています。
中国で支払いにカードを使うなら、銀聯カードを1枚持っていると、VISAなどのクレジットカードが使えないお店でも安心でしょう。
日本では、三井住友カードやMUFGカードなどで追加カードとして銀聯カードを発行できるので、中国旅行に行く際に事前に発行しておくのがおすすめです。
⑦ディスカバーカード
ディスカバーカードは、アメリカを中心に展開されている国際ブランドです。
日本ではディスカバーカードが発行されていないので、手に入れることはできません。
目的別!おすすめ国際ブランドまとめ
国際ブランドは合計7種類存在しますが、目的を踏まえて考えることで、どの国際ブランドのクレジットカードを持つべきかがわかります。
おすすめの国際ブランド | |
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初めてクレジットカードを申し込む・様々な場所で使いたい | VISA |
様々な場所で使いたい・ヨーロッパやApple Payで活用したい | MasterCard |
国内利用重視・ディズニーや旅行系特典などを利用したい | JCB |
海外旅行重視、ステータスの高さ重視 | AMEX、ダイナースクラブ |
ここからは、目的ごとに、どの国際ブランドを利用するべきかを解説します。
①初めての1枚目におすすめなのはVISAカード!圧倒的な世界シェアでどこでも使える
初めてクレジットカードを申し込むなら、まず選びたいのがVISAカードです。
VISAはシェアNo.1なので、日本国内でも海外でも、たくさんの場所で支払いに使えます。
▲NILSON REPORT | Charts & Graphs Archiveより
せっかくクレジットカードを持っていても、支払いに使えなければ意味がありません。
特典が充実しているJCBやAMEXなどの国際ブランドももちろん魅力的ですが、初めてのクレジットカードには、支払先に困らないVISAがおすすめです。
②ヨーロッパへ行く機会が多いならMasterカードを選ぼう
MasterCardは、ヨーロッパへ行く機会が多い人におすすめの国際ブランドです。
MasterCardはVISAに次いでシェアがあり、とくにヨーロッパでは加盟店が豊富となっています。
そしてMasterCardとシェアNo.1であるVISAを比較して、勝っていると言えるのは、Apple Payでアプリやサイト内決済ができることです。
VISAのクレジットカードは、Apple Payに登録しても、コンビニなどの実店舗での支払いにしか利用できません。
ヨーロッパ旅行の機会が多かったり、Apple Payをオンラインで活用したりしたい場合には、MasterCardが最適な選択肢です。
③国内での使いやすさ重視・ディズニー関連の特典に魅力を感じるならJCBカードを
JCBは日本発の国際ブランドなので、国内で支払いに使える場所の豊富さを重視する人に最適です。
JCBは日本国内に加盟店が多く、都市部・地方ともにコンビニやスーパー、商店街にあるお店など、様々な場所で支払いに使えます。
海外でクレジットカードを使う機会が多い場合は、VISAやMasterCardに比べると使える場所が減ってしまう恐れがあるのでご注意ください。
そしてJCBで見逃せないのは、ディズニー関連特典の存在です。
キャンペーン「JCBマジカル」で、ディズニーリゾートの貸し切りに抽選で応募できるなどの特典が用意されるので、ディズニー好きの方にもJCBがおすすめです。
<ハワイ、韓国、台湾はJCBカードでも支払いに困らない>
ハワイや韓国、台湾といった日本人観光客が多い地域では、JCB対応のお店も多く存在します。
念のためVISAやMasterCardのクレジットカードも持っておいたほうが安心ですが、JCBのクレジットカードでも支払いに困る機会は少ないでしょう。
④海外旅行で特別な体験をしたい、ステータス性を重視したいならAMEXかダイナースを
ステータスの高さ・海外旅行向け特典重視なら、AMEXかダイナースクラブがおすすめです。
空港ラウンジを利用できたり、レストラン等で優待を受けられたりなど、充実した海外旅行を楽しめます。
ステータスが高いため、ホテルなどで支払いに使えば、自らの社会的地位が高く、信用に値する人物であると証明できるのも大きなメリットです。
国際ブランドについて深く知ろう
最後に、「国際ブランド」のしくみについて、細かい部分を解説します。
各国際ブランドの特長や選び方を理解したところで、より深い知識を身につけましょう。
①「国際ブランド」は決済システムを管理・提供している会社のこと
国際ブランドとは、クレジットカードの決済システムを管理・提供する会社のことです。
国際ブランド=そのカードを発行している会社、というわけではありません。
②国際ブランドとカード会社の違いについて
カード会社は、国際ブランドと提携・決済システムを利用させてもらう形で、クレジットカードを発行しています。
例えばVISAブランドの楽天カードは、VISAの決済システムで支払いに使えるクレジットカードを、楽天カードが発行しています。
<国際ブランドが直接発行する「プロパーカード」も存在する>
JCBやAMEXなど、自らクレジットカードを発行している国際ブランドもあります。
国際ブランドが直接発行しているクレジットカードは、「プロパーカード」と呼ばれています。
なおVISAやMasterCardは、自分でクレジットカードを発行していません。
まとめ
★クレジットカードには、国際ブランドが付帯されていて、目的に合わせて最適な物を選ぶのがおすすめ
★VISAは加盟店が国際ブランドの中でも最も多く、世界中で支払いに使える
★MasterCardは国際ブランド限定特典があったり、ヨーロッパで広く使えたりする
★JCBは日本の国際ブランドで、国内に加盟店が多かったり、旅行者・ディズニーファン向けの特典が存在したりする
★AMEXやダイナースクラブカードはステータスの高さや旅行者向け特典が存在する
ここまで様々な国際ブランドについて解説しましたが、目的に合わせて最適な物を選ぶのがおすすめこれから初めてのクレジットカードを申し込むなら、まずVISAのクレジットカードを選びましょう。
VISAなら支払いに使える場所が多いので、「せっかくクレジットカードを発行したのに、使いたいお店で使えない」というトラブルが起こりづらいです。
他の国際ブランドのクレジットカードを使いたい場合も、予備としてVISAのカードを1枚持っていれば、メインのカードが使えなかったときに変わりの支払い方法として活用しやすいですよ。

この記事の監修専門家