この記事の目次
はじめに
クレジットカードの支払いが遅れると、利用停止となる場合があります。
利用停止の理由やタイミング・解除までの日取りなどはカード会社に違うので、ご心配という方も多いのではないでしょうか。今回はクレジットカードの利用停止に関する様々なポイントをご紹介しようと思います。
支払い遅れ(滞納・延納)するといつから使えなくなる?
クジレットカードの支払いを滞納すると、翌日~数日以内に利用停止となります。
カード会社は滞納に対して敏感です。金融機関から引き落とし不可の通知を受けると、即座にカードの利用停止し、入金を待ちます。
ただし金融機関とカード会社のやり取りには若干のタイムラグが生じることが多く、即日停止はほとんどのケースでありません。翌日~数日以内が目安です。
利用停止すると強制解約になる?
多くのカード会社は1度や2度支払い遅れ(滞納・延納)したからと、いきなり強制解約することはありません。規約では支払い遅れが生じたら解約できるよう定めていますが、実際には見逃してもらえるケースの方が多いでしょう。
しかし毎月のように残高不足を起こしたり、再振替の日までにお金を用意できない場合は危険です。1年のうち3~4回以上も支払い遅れを繰り返したり、3か月以上も延滞し続けたりすると、強制解約処分を受けることになるでしょう。
信用情報などの影響は?
短期の滞納であれば、信用情報への影響はほとんどありません。長期滞納や複数回の滞納でない限り、極端に心配する必要はないでしょう。
実のところ、クレジットカードの短期滞納はよくあります。
急な引き落としで残高不足を起こしたり、口座設定を変えて引き落としができなくなっていたりと、人によって色々な事情があるからです。
悪質な場合は1発解約も
カード会社に悪質な顧客と認定されると、1発で強制解約もあり得ます。
「悪質」の判断基準はカード会社によって異なりますが、3か月以上の滞納を起こしたり、支払いに関する連絡を無視するなどの行為は危険です。
カード会社に「この人は信用できないな」と受け取られてしまうと、返済が済んでも再審査により利用を断られてしまう可能性があります。
ETCの利用停止タイミング
ETCカードは、支払い遅れが生じても問題なく使えます。
高速道路にあるETCゲートはクレジットカードと連動したシステムです。しかし機能的には有効期限のみをチェックする仕組みに留まり、利用限度額や支払い遅れの状況で判断することはありません。
もっとも、利用停止状態の人が返済能力もないのにETCカードを乱用すると、カード会社の印象は非常に悪くなります。強制解約されるとETCカードも使えなくなるので注意が必要です。
交通系ICカードつき(オートチャージ)の利用停止タイミング
交通系ICカードでは、カードの利用停止処分と同時にオートチャージもできなくなります。
両者は連動しているシステムなので、基本的には同時期とお考え下さい。ただし定期券機能や現金によるチャージは利用停止中でも可能です。
(注:ビューカードに確認しました)
その他ICカードの利用停止タイミング
クイックペイの利用停止タイミングについてはお答えできないとのことでした…。
利用停止と再開の目安
利用停止処分の解除は、「入金確認後」最短即日~数日程度で解除されます。
ここで注意してほしいのが、停止が解除されるのは入金した日ではなく、「カード会社側で入金の確認が取れた日」であること。
支払い遅れの時と同様に、金融機関とカード会社のやり取りには若干のタイムラグが存在します。また午後に他行のATMで振り込んだ場合なども、振込先に反映されるのは最短翌営業日です。
銀行口座に入金したor指定口座に振り込んだからと、すぐに解除されるとは限らない点をご注意下さい。
各支払い方法による
滞納料金の支払い方法は、主に「再振替、口座振込、郵送用紙による支払い」の3種類です。ただし解除までの日取りや決済方法は、カード会社の方針によって異なります。
そこで主なクレジットカードの支払い方法と、解除日までの目安を整理し表にまとめてみました。お支払いの際の参考にしていただければと思います。
再振替 | 指定口座へ振込 | 払い込み用紙 | |
---|---|---|---|
MUFGカード | 2~3営業日 | 2~3営業日 | |
三井住友カード | 2~3営業日(三井住友・みずほ銀行に限り、翌営業日) | 2~3営業日 | |
JCBカード | 基本的に2営業日 | 2営業日 | 2~3営業日 |
セゾンカード | 翌営業日 | 翌営業日 | |
オリコカード | 2〜4営業日 | 最短翌営業日 | 3営業日前後 |
dカード | 2~5営業日 | 2~5営業日 | |
楽天カード | 楽天銀行なら即日~翌営業日・それ以外2~4営業日 | 当日~4営業日後 | 当日~4営業日後 |
アメリカン・エキスプレス | 即日~翌営業日 | 約3営業日 |
最速で利用停止を解除し再開させる方法
最速で利用停止を解除するなら、カード会社に問い合わせ支払い方法を相談しましょう。
各社複数の支払い方法を用意していますが、それぞれ解除までにかかる日数が違います。例えば、送られてくるコンビニ決済用の封筒やハガキの到着を待つよりも、カード会社の指定口座に直接振り込んだ方が停止解除はスムーズです。
ただし大型連休を挟む場合やカード会社の方針によっては、この限りではありません。少し手間ですがカード会社に問い合わせ、確認することをオススメします。
クレジットカードが利用停止になっているかを確認する方法
クレジットカード会社は基本的に、利用停止処分自体を通知することはありません。
ただし滞納・延滞自体は、支払い用紙やメールから知ることができます。電話やWebフォームで確認することも可能です。
代表的な確認方法をまとめましたので、順番に見ていきましょう。
①カード会社に問い合わせる
カード会社に問い合わせるのが、最も確実な方法です。
カード会社は顧客データ・カード情報をシステム化しているので、各会員のクレジットカードの状態は常に把握しています。振込から入金確認までにラグが生じることはありますが、利用停止処分を下しながら「データセンターに停止情報が来ていない」というケースはあり得ません。
少し気が引けるかもしれませんが、「利用停止になっているか教えて欲しい」と要請してみましょう。大抵の場合は教えてもらえるはずです。
②支払い用紙・督促状を確認する
支払い用紙や督促状から利用停止処分を知ることもできます。
通常、債務を滞納するとカード会社から支払い用紙や督促状が送られてきます。カード会社の方針にもよりますが、本文や同封書類に利用停止の通知や理由が付記されていることも。
もっとも、仮に「利用停止」の文字が記載されていなくても、滞納している時点で利用停止の理由は推察できます。
③催促のメールをチェックする
カード会社によっては、メールで滞納や停止処分を連絡するケースがあります。
契約時に登録したメールアドレスに送られてくるはずなので、思い当たるフシがある方はチェックしてみましょう。
④Webフォームで確認する
カード会社によってはWebフォームで利用状況を確認できます。
例えば楽天カードの場合、「楽天e-navi」にログインするとエラーコードから利用状況のチェックが可能(メンテナンス時以外)です。
利用停止になると他のカードも使えない?
利用停止処分や強制解約処分を受けても、短期的には他社カードに影響が生じるケースはほとんどありません。
ご存知の通りクレジッドカード会社は、信用情報機関を介して同業他社と事故情報を共有しています。しかし同一人物の信用情報を毎日チェックはしているワケではありませんから、A社のカードを停止されたからと、同日中にB社のカードまで停止される可能性はないでしょう。
反面、長期的には他社カードにも影響は出る可能性は高いです。
クレジットカード会社は更新時期が近付くと、「更新しても大丈夫か?」と判断するため途上与信を行います。また定期的に契約者を審査を実施している会社もあり、こうした審査に引っかかると「長期延滞が発覚→更新拒否」となります。
利用停止中の自動支払いはどうなる?
クレジットカードが利用停止中処分を受けると、公共料金や携帯電話料金の自動支払いもストップします。生活に多大な影響が出るものばかりなので、注意が必要です。
①電気代
電気代は、検針日の翌日から51日目以上経過すると送電停止となるケースが大半です。
どの電力会社もいきなり止めることはせず、事前にお知らせのハガキが送付します。無視すると送電停止となるので注意が必要です。
延滞が長期にわたると、延滞料金を請求されます。
②ガス代
ガス供給の停止日は、ガス会社によって異なります。
東京ガスなど都市ガスの場合、検針日の翌日から51日目以降が目安です。ただしLPガスはガス事業法改正による自由化に伴い、ガス会社が停止日を任意設定しています。
多くの場合は都市ガスの期間に倣っていますが、契約しているガス会社に問い合わせたほうが良いでしょう。
(賃貸物件の場合は大家が契約ガス会社を指定します。明細が無くガス会社の名前がわからない時は、管理会社に問い合わせるか、契約書・重要事項説明書をご確認下さい)
③水道代
水道の供給は多くの場合、2か月程度の滞納でストップします。
ただし水道代は各事業体によってバラつきが大きく、2か月で停止するところもあれば、4か月くらい滞納してもストップしないケースもあります。
④携帯電話料金
携帯電話は、料金滞納から15日~30日程度で利用停止となります。
最近は大手3社に加えて、楽天やワイモバイル、その他MVNOなど通信事業者も多様です。お使いの事業者に確認を取ることをオススメします。
⑤受信料
NHK受信料は支払わないからといって、視聴できなくなることはありません。
ただし滞納中も解約しない限り、受信料は加算され続けるので注意が必要です。督促状なども郵送されます。
クレジットカードの支払い遅れの影響と対処方法
クレジットカードの支払い遅れと、再開までの流れは下記の通りです。
滞納を続け、利用停止に
再振替・口座振込・コンビニ払いなど
支払いから確認までに数日のラグが生じることも
入金が確認されると利用停止を解除してもらえる
対処法は?
料金が支払えない時も慌てる必要はありません。
強引な取り立てが横行していた昔と違い、現在のクレジットカード会社は「支払いが難しい」と相談すれば柔軟に対応してくれます。またどうしても払えない時は、任意整理で債務の減額を交渉したり、自己破産して借金をチャラにすることも可能です。
- カード会社に相談してリスケジュール(支払い期間・プランの変更)
- 専門家や専門機関に相談する
- 債務整理を検討する など
おわりに
クレジットカードの支払い遅れが生じると、最短翌日~数日以内に利用停止処分が下されます。
1度や2度の支払い遅れでは強制解約まではいきません。事情を説明し再振替の日にお金を用意することで、停止処分は解除されます。
ただし長期にわたって滞納したり、回数を重ねると強制解約のリスクは高まります。仮に強制解約されたとなると、水道ガス光熱費の支払い変更はもちろん、ETCカードにも影響が生じます。
「怒られるのが怖いから…」と放置せず、払えない時はカード会社などに連絡し、支払いプランの見直しや相談することをオススメします。

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