クレジットカードの支払い遅れには、遅延・延滞・滞納といった呼び方があります。全て同じ意味にも聞こえますが、どのような違いがあるのでしょうか?それぞれ対処方法や影響の違いがあるため、正しく認識しておく必要があるのです。詳しく解説していきます。
この記事の目次
遅延・延滞・滞納の違いとは
遅延・延滞・滞納は、それぞれクレジットカードの支払いが遅れる、という意味においては同じです。
クレジットカード業界において、それぞれの違いに明確な定義はされていないため、個人信用情報機関(CIC)へ登録される条件を基準として、違いを紹介していきます。
遅延 | 延滞 | 滞納 | |
---|---|---|---|
遅れ期間の違い | 60日以内の遅れ | 61日(2ヶ月)もしくは3ヶ月 | 61日(2ヶ月)もしくは3ヶ月 |
信用情報への影響 | 記載なし | 異動情報として延滞が記載される | 異動情報として延滞が記載される |
クレジットカード会社への影響 | 利用停止 | 利用停止または強制解約 | 利用停止または強制解約 |
表で見て分かる通り、延滞と滞納に違いはないため、同じ意味として考えて良いでしょう。
しかし、厳密には個人信用情報機関に登録される情報としては、「延滞」と記載されるため滞納が使われることはほとんどありません。
クレジットカードの支払い遅れが、短期間だと遅延と呼ばれ、遅れが長期化すると延滞または滞納と呼ばれます。
61日(2ヶ月)もしくは3ヶ月ってどういうこと?
どのサイトを見ても、クレジットカード支払いの延滞(滞納)は、61日もしくは3ヶ月と言われていますね。
これは支払い遅れが信用情報機関へ「延滞」として登録されるまでの期間です。
CICへ登録される信用情報のうち、異動にあたる「延滞」という項目が、61日もしくは3ヶ月という期間、支払いが遅れることによって登録される仕組みになっています。
基本的には支払いが遅れてから61日、つまり2ヶ月の延滞で信用情報機関に登録がされますが、月の組み合わせによっては、合計日数が61日に満たないことがあります。
1月と2月や、2月と3月が当てはまります。
そうすると、区切りとしてもう1ヶ月追加されて3ヶ月になるということになります。
カード会社への問い合わせ内容
クレジットカードの支払い遅れの呼び方について、遅延・延滞・滞納がそれぞれの信用情報への影響や、日数による違いがあるのか聞いてみました。


遅れの日数や、信用情報への影響ごとに読み方を変えているということはありません。
私が持っているクレジットカード3社(アメックス、三井住友カード、ジェーシービー)に問い合わせてみましたが、どの会社も同じ回答で、違いは特に定義されていないという回答でした。
問い合わせと別で元JCBの社員に聞いてみたところ、JCBでは支払月の翌月末までに支払いが確認できなかった場合に、個人信用情報機関に登録されると語ってくれました。
支払月の翌月末までとなると、実際には60日よりも短いため、一般論の基準よりも早い段階でブラックリスト入りすることになります。
また、支払い遅れの回数が多い方や、遅れの内容が悪質と判断された方の場合、60日よりも早いタイミングで、事故情報として登録される可能性があるとのことでした。
個人的な見解
クレジットカードの支払い遅延・延滞・滞納それぞれの違いについては、あまり気にしても意味が無いように思えました。
一般的では61日(2ヶ月)または3ヶ月で延滞・滞納扱いになり、信用情報機関へ異動情報が登録されると言われていますが、実際には支払い遅れの回数や悪質さによっては、もっと早い段階でブラックリスト入りすることもあるためです。
クレジットカード会社の規約を見ても、支払い遅れのことを滞納という書き方はせずに、遅延と延滞という書き方がされています。
個人信用情報機関であるCIC、JICC、JBAに登録される支払い遅れに関する内容を見ても、遅延や滞納といった情報の記載は無く、延滞情報という記載のみありました。
まとめると
・事故情報にならないケース→遅延
という解釈ができます。
クレジットカード遅延・延滞・滞納の対処方法
クレジットカードの支払いが遅れたまま延滞すると、個人信用情報機関に事故情報が登録されることが分かりましたね。
延滞として登録されることを回避するためには、早急に手を打つ必要があります。
- 支払日当日、実際に引き落としされる時間を確認する
- ネットバンキングで口座へ入金する
- 再度引き落としに間に合わせる
- クレジットカード会社に直接振り込みする
- 利用分をリボ払いか分割払いに変更する
- 支払いを待ってもらう
- どうにかしてお金を工面する(裏ワザあり)
クレジットカードで遅延・延滞・滞納するとどうなる?
クレジットカードの支払い遅延・延滞・滞納をする影響は、信用情報にキズが付くことだけではありません。
- 遅延損害金が発生する
- クレジットカードの利用停止
- カード会社からの評価が下がる
- 長期の延滞をすると信用情報に影響が出る可能性がある
- 繰り返すと強制解約されることも
- 長期滞納すると裁判や差し押さえも
まとめ
クレジットカード会社としては、遅延・延滞・滞納のそれぞれの意味や日数、信用情報機関への影響による違いは無いという結果でした。
信用情報機関への影響においてより重要なのが、支払いを遅れている日数や遅れの回数です。
まずは抑えておくべきクレジットカード支払い遅れ関連する記事を、こちらのクレジットカードの支払い遅れでまとめてあるのでぜひご参照ください。

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