クレジットカードの支払いが遅れたまま延滞していると、怖い取り立てはあるのでしょうか?会社に電話がかかってきたり、自宅訪問のような督促があるのか?法律(貸金業法)や日本クレジットカード協会の時給規制を基に解説していきます。
この記事の目次
強引・怖い取り立て行為をするクレジットカード会社はない
クレジットカードで延滞や滞納をすると怖い返済の督促や取り立てを受けるのではないかと心配になりますよね。
結論から言うと、強引だったり、怖い取り立て行為をするクレジットカード会社はなく、実際はかなり事務的で淡々と行われます。
理由としては以下の4つがあります
①貸金業法における取り立て行為の規制強化
クレジットカードの未払いの取り立て行為は法律による規制が強化されており、違反をしたクレジットカード業者は罰則が科せられます。
罰則内容は「業務停止」「罰金」「懲役」など、受けると会社として致命的な影響となるため、違反を犯すクレジットカード会社は無いと言えるでしょう。
具体的には貸金業法の第二十一条に詳しく書いてありますが、分かりにくいため噛み砕いて紹介します。
解釈を間違えている可能性もあるため、心配な方は自身でチェックしてみてください。
- 正当な理由が無いのに遅い時間帯に電話、ファックス、自宅の訪問をしてはいけない。
- 正当な理由がないのに自宅以外の場所(勤務先等)に電話、電報、ファックス、直接訪問をしてはいけない。
- 自宅や自宅以外の場所(勤務先等)に訪問した際に、退去の意思を伝えられたら退去しなければいけない。
- 債務者以外の人(家族や友人、勤務先の人)に債務がある事実を知らせてはいけない。
- 他社でお金を借りさせて返済に充てさせてはいけない(借り換えの強要)。
- 債権者以外の人(家族や友人、勤務先の人)に代わりに返済することを要求してはいけない。
- 債権者以外の人(家族や友人、勤務先の人)が、債権者の居場所や連絡先を教えるのを拒否した場合、さらに協力を要求してはいけない。
- 債権者が債務整理をし、債務者へ直接督促や取り立て行為をしないよう求められた場合、それ以上弁済を要求してはいけない
本当はまだあるのですが、取り立てについて気になるポイントだけピックアップしました。
少なくとも、上記に当てはまる行為をクレジットカード会社がすることは法令違反となります。
出典:e-Govウェブサイト「貸金業法」(https://www.e-gov.go.jp/内にあるデータベース)をもとに表現を言い換えました。
②日本クレジットカード協会の自主規制
クレジットカード未払いの取り立て行為は、法律で規制されている内容とは別に「自主的に」規制をしています。
日本クレジットカード協会に加盟しているクレジットカード会社は以下のルールに則り自主規制しています。
1.購入者等を威迫する言動を行うこと
2.購入者等の私生活又は業務の平穏を害する言動を行うこと
3.債務の返済に充てる目的で、貸金業者等からの借入れ等を強要すること
4.債務処理に関する権限を弁護士又は認定司法書士に委任した旨、調停その他の裁判手続
をとった旨若しくは公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会から介入した旨の通
知を受けた後に、正当な理由なく購入者等に対し支払請求をすること
5.法律上支払義務のない者に対し、支払請求をし、又は必要以上に取立てへの協力を要求
6.その他正当とは認められない方法により請求又は取立てを行うこと
引用:割賦販売に係る自主規制規則
難しいように見えますが、貸金業法にある規制と大きな違いはありません。
③企業イメージが悪化する
過去の消費者金融が良い例ですが、かつては
- 夜遅い時間に自宅訪問される
- 職場に借金をバラされる
- 恐喝じみた取り立て行為
などが普通にありました。
このような行為が問題になりメディアで報道されるようになると、誰もその会社を利用しなくなりますよね。
また、今ではSNSやネットの普及により悪いイメージは急速に広まりやすい時代です。
イメージ悪化に繋がるような取り立て行為はしたいとは考えないでしょう。
④取り立て行為にコストがかかる
根本的に、取り立て行為にはコストがかかります。
督促の手紙にかかる費用、電話オペレーターの人件費、家に訪問するための交通費や貴重な勤務時間。
このように取り立ては金銭的、時間的なコストが大きいのです。
さらに、クレジットカードを延滞・滞納したまま放置するような人は取り立てをしても回収に時間がかかることから、余計に人件費と時間がかかります。
そのため、大人数で自宅へ押しかけたりするよりも手紙や電話での督促がメインになるのです。
クレジットカード延滞・滞納の取り立て(督促)はどのように行われる?
実際に、クレジットカードを延滞・滞納した場合にはどのように取り立て(督促)が行われるのでしょうか?
先述の通り、自宅や勤務先への訪問は、一切連絡が取れない等の理由がない限りされません。
が、長期間放置すると当然自宅訪問や勤務先への電話による取り立てがされる可能性があります。
クレジットカード会社によって異なりますが、大まかな督促の流れは以下の通りです。
取り立てをひたすら無視し続けると、最終的に裁判にまで発展するケースもあります。
取り立てや督促状が来なくなった場合
クレジットカードの支払いを滞納し続けると、人によっては「突然督促状や電話が来なくなった」ということがあります。
督促連絡が来なくなる原因は以下が考えられます。
- 法的措置の手続きに移行した
- 回収コストに見合わなかった
- 住所や連絡先を変更した
基本的に、クレジットカード会社が未払いの回収を「忘れる」ことはありません。
そのため、督促状や電話が来なくなったからといって返済をバックレられるということではないことに注意しましょう。
裁判など、法的措置の手続きを開始した場合、督促連絡が来なくなってからしばらくしていきなり裁判所から手紙が届くことがあります。
未払いの金額がかなり少額だった場合、取り立てにかかるコストの方が上回ってしまい、回収を諦めるという可能性もあります。
また、住所や連絡先を変更して督促ができなくなった場合、連絡が来なくなることもありますが、引越し先を調べられることもあるため踏み倒しを考えるのは意味が無いでしょう。
お金が無くて延滞・滞納金が払えない場合
クレジットカードの延滞金が払えなくても、督促や取り立ては延々と続いていきます。
裁判を起こされて、差し押さえが強制執行される前に対処しなければなりません。
対処方法は以下の通りです。
- とにかく電話で相談する
- 分割払いの相談をする
- 支払いを待ってもらう
- どうにかしてお金を集める
どんな理由で払えないにせよ、電話してクレジットカード会社の相談しないと状況は改善されません。
クレジットカードの支払い遅れ(延滞・滞納)の対処方法は以下の記事でより詳しく解説しています。
まずは抑えておくべきクレジットカードの支払い遅れに関する基本的な情報をクレジットカードの支払い遅れ(延滞・滞納)でまとめてあるのでぜひご参照ください。

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