クレジットカード審査と割賦販売法の関係とは?限度額の算出方法

[最終更新日]2018/12/25

クレジットカード審査と割賦販売法の関係と限度額の算出方法

クレジットカードショッピング枠の限度額は、割賦販売法に基づいて算出されます。当記事ではクレジットカード審査と割賦の関係性や支払い可能見込額の計算方法をわかりやすく解説しています。

今回の記事を参考にすべき方!
  1. クレジットカードの審査に通過できるか不安がある方
  2. 収入があまり多くないけれどクレジットカードの審査に通過したい方
  3. クレジットカードの利用限度額を増やしたい方

割賦販売法とは

割賦販売法とは

まずは、「割賦販売法」はどのような法律なのかについて解説していきます。

「割賦販売法」は、クレジットカードの審査や更新の際に大きく関わってくるもので、私たち消費者を守ってくれる法律です。

「割賦販売法」とは?

「割賦払い」において、消費者を保護し、不正利用を防止することを目的に、「割賦購入あっせん会社」および「割賦販売を取り扱う販売会社」を規制するための法律。

「割賦払い」について

「割賦払い」という用語の意味を、ここで確認しておきます。

「割賦払い」とは?

「割賦」とは、「支払いを複数回に分けること」を意味しています。

つまり「割賦払い」と言うと、複数回に分けて支払いをする方法になります。

今まで「割賦払い」をした経験がある方が多いのではないでしょうか。

身近なもので言うと、「クレジットカードの分割払い・リボ払い」「携帯電話・スマートフォンの割賦契約による購入」「自動車教習所の割賦払い」などがあります。

ボーナス払いも「割賦払い」!?

「ボーナス払い」を利用したことはありますか?

ボーナス払いは通常、「ボーナスで『一括払い』する支払い方法」なので、「割賦払い」とは関係なさそうです。

しかし、「ボーナス払い」も「割賦払い」の対象となることを認識しておきましょう。

通常、「翌月1回払い」以外の支払い方法はすべて「割賦払い」の範囲となります。

割賦販売法の対象者

割賦販売法の規制対象となるのは、「割賦購入あっせん会社」「割賦販売を取り扱う販売会社」です。

「割賦購入あっせん会社」とは、割賦払い・分割払いのサービスを提供している「クレジットカード会社」「信販会社」のことを指しています。

「割賦購入あっせん会社」として割賦払いや分割払いのようなサービスを提供するためには、経済産業大臣あての届け出が必要となります。

また、「割賦購入あっせん会社」以外に、「『割賦払い・分割払い』を採用している販売会社」も割賦販売法の規制対象となっています。

「携帯電話・スマートフォンの割賦販売」や「割賦払いを採用している訪問販売」「割賦払いを採用している電話販売」などがこれに当たります。

割賦販売法の目的

「割賦販売法」は主に「消費者保護」「不正利用防止」を目的としています。

目的①:消費者の保護

割賦払いが導入され始めた当時は、特に店頭販売や訪問販売などの場面で、「割賦払い・分割払い」に関して詳しい説明がされないまま「割賦契約」させられてしまうトラブルが多発していました。

このようなトラブルを防止するために、割賦販売法による規制が強化されました。

現在では、割賦販売法によって、消費者は以下のような権利が保証されています。

消費者が保証されている権利

  • 支払いを停止する「抗弁権」
  • クーリングオフ制度
  • 既払い金の返還
クレジット会社への「抗弁権」

消費者には、何かしらのトラブルが発生した際に、クレジット会社に対して「支払い請求を拒否」できる権利があります。

例えば、クレジットカードで「割賦払い・分割払い」した商品が、いつまでたっても届かない場合は、カード会社からの支払い請求を拒否できます。

この権利によって、「商品が届かず割賦払いだけが残ってしまう」というトラブルを避けることができます。

クーリングオフ制度

クーリングオフ制度

クーリングオフ制度とは?

クーリングオフ制度とは、訪問販売や電話販売などの「不意な訪問」による販売活動を受け、複雑で高リスクな契約を結ばれた場合に、一定の期間であれば無条件で契約を解除できる制度のこと。

「店頭販売」「通信販売」など、「自ら出向くかたち」で締結した契約や売買に関しては、クーリングオフ制度の対象外です。

※クーリングオフ制度には、契約書面受領日から「8日間」または「20日間」という期間が指定されており、その期間を過ぎてしまうと、契約解除ができなくなってしまうので注意です。

電話販売や訪問販売によって、強引な個別クレジット契約を締結させられた場合、「クーリングオフ制度」を利用して、契約を取り消すことができます。

個別クレジット契約とは?

クレジットカードを使用せず、商品購入ごとに「割賦払い契約」を結ぶこと。

既払い金の返還

「既払い金の返還」という権利を行使することで、訪問販売業者等との契約の場面で「虚偽の報告・説明」によって契約を締結した場合に、契約を解除し、既に支払ってしまった「割賦払い金額」を返還してもらうことが可能です。

※訪問販売業者等とは、訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引(いわゆる「マルチ商法」)、特定継続的役務(エステ、外国語教室など)、業務提供誘因販売取引(内職商法、モニター商法など)を行う業者です。
出典:早わかり改正割賦販売法 – 経済産業省

「既払い金の返還」の権利を行使できる期間は「1年間」となっています。

目的②:不正利用の防止

割賦販売法の目的の一つが「不正利用の防止」です。

割賦販売法は、クレジット会社に対してセキュリティ強化の規制を実施することで、クレジットカードやそれに関する情報の流出・不正利用を防止しようとしています。

具体的には、加盟店の管理をしっかり行うことを求める規制となっています。

例えば、クレジットカード会社・信販会社は、加盟店の経営状況を把握・審査する義務があります。

さらに、加盟店契約が完了した後も、途上与信で経営状況を確認したり、クレジットの不正利用をしていないかなどを確認する必要があります。

このような「不正利用防止」のために、加盟店情報を共有する「加盟店情報センター」も設立されています。

クレジットカード審査と割賦販売法の関係

ここまで解説してきた「割賦販売法」ですが、レジットカードの審査内容」にも影響を及ぼします

「割賦販売法」がクレジットカードの審査内容に与える影響

割賦販売法によって、クレジットカード会社は申込者の審査をする段階で、『支払い可能見込額の算出』→『ショッピング枠(カードの利用限度額)の設定』を実施することが義務付けられています。

「支払い可能見込額の算出」は「(申込者の)年収-生活維持費-クレジット債務」という方式で計算されます。

そのため、申込者の年収生活維持費が、「クレジットカードのショッピング枠決定」に影響することになっています。

この章では、クレジットカードのショッピング枠(利用限度額)決定に影響を及ぼす「支払い可能見込額」について詳しく解説していきます。

ちなみに、クレジットカードの審査内容について詳しく知りたい方は「クレジットカードの審査内容」を参照してください。

「支払い可能見込額」の設定の義務化

「支払い可能見込額」の設定義務化

クレジットカード会社は、消費者からクレジットカードの申込があったり、クレジットカードの更新になった際に、「その消費者の支払い可能見込額」を算出する必要がある。

クレジットカードの申込の際に聞かれる「年収」「住宅所有の有無」などは、支払い可能見込額の算出要素となります。

算出された「支払い可能見込額」は、クレジットカードの「ショッピング枠(利用限度額)」を設定する際の基準値となります。

支払い可能見込額は「ショッピング枠」決定の基準となる

支払い可能見込額の「9割(経済産業大臣が定める割合)」を上限として、ショッピング枠(カードの利用限度額)が決定されます。

(例)支払い可能見込額「55万円」×90%=49.5万円
→クレジットカードのショッピング枠は「49.5万円」以下の金額で設定される。

ショッピング枠とキャッシング枠の決定 

  • ショッピング枠の決定…「割賦販売法」に従い算出決定
  • キャッシング枠の決定…「総量規制」に従い算出決定

「支払い可能見込額」設定の目的

「支払い可能見込額」の設定が義務付けられているのも、「消費者保護の目的」があります。

消費者の年収や資産状況に見合わない利用限度額を設定してしまうと、その人の返済能力を超えるクレジット利用のせいで、返済が困難になったり、生活が困窮してしまう消費者が出てしまう可能性があります。

そこで、クレジットカード審査の段階で、その消費者に見合った「支払い可能見込額」を計算することで、割賦払い・分割払いの「使いすぎ」を未然に防ごうとしています。

「支払い可能見込額」の計算方法

「支払い可能見込額」の計算

ここからは、「支払い可能見込額」の計算方法について解説していきます。

「支払い可能見込額」の計算方法

「支払い可能見込額」=年収-生活維持費-クレジット債務

「支払い可能見込額」の計算方法は上記の通りです。
計算に必要な「年収」「生活維持費」「クレジット債務」についてそれぞれ説明していきます。

計算に必要な3つの要素
  1. ①年収
  2. ②生活維持費
  3. ③クレジット債務

①年収

「支払い可能見込額」の計算に必要な要素の一つが「年収」です。

この「年収」は自己申告制となっています。
源泉徴収票の提出などは基本的に必要なく、申込書に自己申告で記載した年収が計算で使われます。

「自分の年収だと、審査に通るか不安・支払い可能見込額が非常に少なくなるかも」と不安に感じている方は、年収を多少多めに記載しても問題はないでしょう。

ただし、あまりにもかけ離れた年収や、年齢・職業のわりに高い年収を申込書に記載した場合には、電話照会が行われる可能性があるので注意です。

もし年収額に不安がある場合には、「キャッシング枠を0円」で申込むことで、審査に通りやすくなります。

年収103万円以下の主婦の場合

「割賦販売法」では、年収103万円以下の主婦は「扶養家族」扱いとなるため、「配偶者の年収」と合算することとなっています。

申込書の年収欄には夫婦の年収を合算した額を記載しましょう。

②生活維持費

「支払い可能見込額」の計算に必要なものに「生活維持費」があります。
「生活維持費」も自己申告制となっています。

クレジットカードを申込むとき、「家族構成」「住居事情(持ち家 or 賃貸)(住宅ローンの有無)」を聞かれます。

これらの情報が「生活維持費」に当たります。

この「生活維持費」は自分で計算する必要はなく、「割賦販売法」によって事前に指標が定められています

【人事院「標準生計費」(全国平均)(単位=万円)】

4人世帯以上 3人世帯 2人世帯 1人世帯
住宅所有 住宅ローン無し 200 169 136 90
住宅不所有 借賃支払無し 200 169 136 90
住宅所有 住宅ローン有り 240 209 177 116
住宅不所有 借賃支払有り 240 209 177 116

出典:早わかり改正割賦販売法 – 経済産業省

「生活維持費」の申請額が大きくなればなるほど、「支払い可能見込額」や「クレジットカード審査」に影響が及びます

虚偽の申告はしてはいけませんが、あまりにも大きな額を申告すると、限度額が少なくなったり、審査に落ちてしまう危険性も考えられます。

③クレジット債務

「支払い可能見込額」の計算には「クレジット債務」も影響してきます。

クレジット債務とは?

クレジット債務とは、「リボ払い」「分割払い」「ボーナス払い」「キャッシング」など、一括払い以外の支払い方法の残高のことです。

クレジットカードの申込書に「他者借入金額」欄があるので、そこに大まかな金額を記載しましょう。

大まかな金額で良いのは、この「クレジット債務」は基本的に、カード会社が「CIC(信用情報機関)」に照会して調査をするためです。

調査の省略がある!?

この「支払い可能見込額」の決定に関する調査は、クレジットカードのよって省略されることがあります。

具体的には、「利用限度額が30万円以下」のクレジットカード申込で、延滞・滞納などの金融事故がない場合は、調査を省略できます

年収が低くて審査に不安があっても、利用限度額30万円以下のクレジットカードであれば「審査がゆるい」という口コミも見られます。

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「割賦枠0円」に変更されるケースあり!

カードの利用限度額ギリギリまで「分割払い・リボ払い」などを行っていたり、返済の延滞・滞納といった「金融事故」を起こした場合には、「ショッピング枠・割賦枠0円」に変更されることがあります。

割賦払いを限度額ギリギリまで利用するのは危険です。

クレジットカードは、余裕をもって利用するように心がけることが大切です。

まとめ

今回は、「クレジットカード審査と割賦販売法の関係」について解説してきました。

クレジットカードを申込する場合には、「割賦販売法による『支払い可能見込額』の設定」があることを認識しておきましょう。

「年収が低くて、審査に通るか不安」という方は、「利用限度額30万円以下のクレジットカード」を申込むことで、より確実に審査に通過することができます

クレジットカードの審査内容や仕組みをフローチャートで解説
2018.12.12



この記事を執筆した専門家

佐藤
佐藤
ファイナンシャルプランナー
2級FP技能士。心理学系の大学を卒業したのち、IT関連会社に5年勤務。大手企業を顧客にもち、数多くのプロジェクト案件に携わる。保険や資産形成への興味からファイナンシャルプランナーの道へ。「正しい知識でお金を味方につける」をモットーに、WEBライターとしてお金の悩み解決に取り組む。

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