クレジットカードのスコアリング審査とは?評価基準を専門家が解説

[最終更新日]2019/01/12

クレジットカードのスコアリング審査とは

クレジットカードの審査では、申込内容や個人信用情報をもとに評価項目を点数付けするスコアリングシステムが採用されています。しかし、実際は点数付けだけでなく企業独自の分析結果も加わります。何を重要視され、どんな人が高得点をとれるのか審査部署にいた私が解説しました。

クレジットカード審査のスコアリングシステムとは?

そもそもスコアリングとは?

クレジットカードの審査で採用されているスコアリングとは、申し込みをした人の項目に点数をつけ、その点数の合計によって信用力を決めるシステムのことです。

数多くの申し込みを公平に、かつ短時間で効率よく処理するために開発されました。

「3つのC」がスコアリングの元になっている

クレジットカードの審査には、3Cと呼ばれている3つの基準があります。これらのうち、どれか一つが欠けていると審査には通りません。

3C 意味 重要視される内容
Capacity 資力 安定した一定の収入があるかどうか
Character 性格 お金に関しての性格。きちんと返済をするかどうか
Capital 資産 貯蓄や不動産、車などの資産・財産があるか

スコアリングシステムでは、この3Cをベースにして審査を行っています。

スコアリングは企業秘密

スコアリングシステムは、

「このような属性の人は延滞しにくい」
「このような属性の人は延滞のリスクがある」

といった、膨大な顧客データの統計を元に作られています。会社によって異なり、外部に漏れることは絶対にありません。

カード申し込みの時に入力する内容や、審査の流れはどの会社でもほぼ同じですよね。そのため、審査も同じ基準だろうと考える方もいるかもしれません。

しかし金融機関向けの与信システムを構築している会社「キューピタス」のホームページに

キュービタスの入会審査システムは、クライアント企業様の事業思想や顧客戦略、個々のカードの商品性に対応して、柔軟に審査ロジックを設定することが可能です。

引用元:キューピタス審査業務

とあるとおり、審査の流れは一緒でも、基準は会社ごとに異なります。

社外に漏らすことは禁物ですので、審査に落ちた理由を社員に聞いても絶対に教えてもらえません。

最終決定は人的な判断であることに注意しよう

スコアリングは申込内容をコンピューターに入力し、機械的に行われます。

しかし審査はそれで終わりではありません。融資ができるかどうか、最終的な決定を行うのは社員です。

この項目ではスコアリングの点数について述べていますが、点数だけで審査が決定するわけではないということに注意しましょう。

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スコアリング審査の判定基準は?

どれだけの点数を獲得すれば審査に通るのかは、会社やカードの種類によって異なります。

ランクが高いカードは難易度が高い

年会費が高いカードは審査の難易度も高く、多くの得点を獲得しないと審査に通りません。

ゴールドカードプラチナカードなど、ランクが上のカードは審査が難しいです。

会社によって少し違う基準がある事も

実際の点数は会社が独自のものを設定していますので、社内の人にしか分かりません。

また「預金金額」「保険証の種類」などは、会社によっては申込時に記載しない会社もあります。

申し込みの際に入力した項目は、全て審査に影響すると考えてください。

カード会社による難易度は?

クレジットカードを発行する会社にも種類があり、その種類によって難易度が異なります。

カード種類 難易度
銀行系 三井住友カード
MUFGカード
みずほマイレージクラブカード
高い
交通系 JALカード
ANAカード
やや高い
流通系 楽天カード

イオンカード
セゾンカード
普通
信販系 ジャックスカード
オリコカード
ニコスカード
普通
消費者金融系 ライフカード
ACマスターカード
低い
外資系 ダイナーズカード
アメックスカード
独自基準

銀行系のクレジットカードは審査が厳しく、逆に消費者金融系流通系は審査に通りやすいとされています。

外資系は独自の審査基準があるため、国内のカードでは審査に通らなかった人でもカードが発行できる可能性があります。

カード会社別の難易度をもっと知りたい方はこちらもチェック

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スコアリング点数の付け方と高得点の基準

スコアリングで評価される項目は、大きく分けると以下の3つに分類されます。

スコアリングで評価される項目
  1. 申込み本人について
  2. 勤務先について
  3. 個人信用情報

それぞれの項目について、採点内容の例を見ていきましょう。

①申込み本人について

スコアリングされる本人情報

申込みをする際には生年月日や電話番号、住所だけでなく、居住年数や家族構成も申告を行いますが、実はそれも全てスコアリングされています。

年齢

30~40歳 55点
40~50歳 50点
50~60歳 50点
20~30歳 40点
60~70歳 10点
70~80歳 5点
85歳以上 5点
18~20歳 0点

年齢は関係ないと考える方が多いですが、実際にそのようなことはありません。働き盛りで収入が安定している30歳~40歳程度はスコアが高いです。

最も低いのは18歳です。高校卒業後に働き始める方もいますが、勤続年数が長いとは言えず、学生の方も多いのでスコアは厳しくなります。

また60歳を超えると退職をする方が増えて収入が下がるため、スコアは急激に減ります。年齢が高ければ高いほど信用度が高いとは限りませんので注意しましょう。

電話番号

携帯電話と自宅電話 30点
自宅電話のみ 20点
携帯電話のみ 5点

自宅に固定電話がある方は、携帯電話しか申告しない方に比べると連絡がつきやすいです。申告した住所に済んでいるという証拠にもなるため、自宅電話を書くとスコアがアップします。

逆に携帯電話だけの場合、その番号を解約されると電話で連絡ができなくなり、貸倒のリスクが上がります。そのため点数は低めになっています。

配偶者の有無

配偶者あり 40点
配偶者なし 10点

配偶者がいる場合、独身の方に比べるとスコアが高くつけられます。

  • 延滞などトラブルがあると配偶者にバレるため、期日を守る傾向が強い
  • 転職をする可能性が低い
  • 家族を養う能力がある(=収入が安定している)

理由としては以上のことが挙げられます。

全ての方がそうだとは限りませんが、実際に独身よりも既婚のほうが延滞が少ない傾向があります。

家族構成

同居家族あり 40点
同居家族なし 10点

家族と同居している場合は、

  • 生活費の負担が少ない
  • 延滞などトラブルがあると家族にバレる
  • 一人暮らしの人に比べて引越しがしにくい

などの理由により、貸倒のリスクが低いとみなされ、スコアが上がります。

逆に一人暮らしの場合は引越しがしやすく、住所が不明になるリスクがあるため、点数は低くなります。

居住形態

持ち家 40点
賃貸 10点
社宅 10点

持ち家の場合は居所不明になるリスクが低いため点数が高めです。逆にアパートや社宅などの賃貸住宅などの場合、引越しがしやすいため審査に不利になります。

引越しがしやすいという事は夜逃げがしやすいという事です。カード会社にとっては一番避けたいことですので、どうしても点数は低く設定されます。

居住年数

10年以上 40点
3年~10年 30点
1年~3年 20点
1年未満 5点

上記の居住形態と同様の理由で、居住年数が長ければ長いほど引越しがしにくいとみなされ、点数が高くなります。

運転免許証

運転免許証あり 10点
運転免許証なし 0点

運転免許証は住所の偽造がしにくく、全国共通です。保険証などを提出した方に比べて点数が可算されることがあります。

保険証の種類

組合保険証 40点
社会保険証 40点
国民健康保険証 10点
未加入 0点

保険証にも種類があります。組合保険証社会保険証は職場を通して発行する保険証です。会社名が入っているため、そこに勤めているという証拠にもなります。保険に未加入の場合は審査にマイナスになります。

預金金額

1000万以上 10点
500万~1000万 5点
500万以下 0点

カード会社によっては、預貯金額がスコアリングの材料に含まれている場合があります。

預貯金額よりも年収勤務先他社の借入など他の項目のほうが審査に重要ですので、点数配分は低めです。

②勤務先について

勤務先情報スコアリングのポイント

企業の規模

大手企業・公務員 50点
中小企業 20点

公務員大手企業は倒産や給与未払いのリスクが少なく、収入が安定しているとみなされるため点数は高め。

逆に規模が小さい企業だと、収入が安定せず転職の可能性があるため、点数が低くなります。

勤続年数

10年以上 70点
3年~10年 50点
1年~3年 30点
1年未満 10点

クレジットカードの審査で特に重要視される項目です。勤続年数が長いとそれだけ地位が安定しているという証拠であり、収入も安定しているとみなされます。

職業・職種

公務員 70点
医師・弁護士・税理士 70点
教職員・正社員 40点
専業主婦 30点
学生 10点
自営業 10点
契約社員・派遣社員 10点
パート・アルバイト 10点
無職 5点

収入が安定しており、かつ金額が高いと予想される職業はスコアが高めです。専業主婦は配偶者の収入がメインですので、ここでは平均的な点数に位置されます。

自営業や契約社員、パート・アルバイトなどは正社員に比べると収入が安定してないとされ、点数が低めになっています。

役職

管理職 30点
一般社員 10点

役職に就いているということは、職場における立場が安定していることを示します。転職をしたり給与が下がる可能性が低いため、審査にプラスに働きます。

年収

1000万円以上 160点
800万円~1000万円 140点
600万円~800万円 120点
400万円~600万円 100点
300万円~400万円 80点
200万円~300万円 60点
100万円~200万円 40点
100万円未満 20点
収入なし 10点

収入が多いとその分返済能力が高いということです。クレジットカードを多く利用することが期待できるため、年収が高いほどスコアは高くなります。

③個人信用情報

クレジットカードに申し込みをすると、必ず申込者の個人信用情報を確認します。他社の借入状況返済履歴を参照し審査に生かしています。

借入状況

有担保ローンあり 50点
借入なし 20点
借入あり 10点
過度な借入 0点

信用情報機関にはローンの契約状況や残高などが登録されています。他社のローンが多い場合は審査にマイナスになります。

車や住宅ローンなどの有担保ローンを組んでいると、ローンの審査に通るだけの返済能力があるとみなされ、点数が高くなります。

クレヒス

ローンやクレジットカードの返済履歴のことをクレジットヒストリー(クレヒス)と呼んでいます。他社を利用し、返済をしている履歴がある場合は審査にプラスになりますが、延滞履歴があると審査通過が厳しくなります。

クレジットカードのスコアリング審査で注意する点

ここまででスコアリングの点数について説明をしてきました。最後に、スコアリング審査で注意したいこと2点をまとめました。

①虚偽の報告は強制解約のリスクあり

審査に通りやすくするため、年収を多く申告したり、勤務形態を偽ったりなど、うその報告をする人も中にはいます。

しかしクレジットカードの審査は単純ではありません。申告内容や提出書類などに少しでも不自然なことがあれば、より慎重に審査を行います。

嘘の申告はいずれバレます。虚偽の申告がバレた場合はカードの利用停止強制解約につながるだけでなく、信用情報機関にそのことが記録され、ブラックになる恐れも。

審査の時は必ずありのままを申告しましょう。

②スコアだけで審査は決定しない

繰り返しになりますが、スコアだけで審査が決まるわけではありません。

スコア以外にもクレヒスや提出書類など、総合的な判断で審査を行っていますので、点数が高いから必ずしも審査に通るとは限りません。

まとめ

この項目では、クレジットカードの審査に採用されているスコアリングについてまとめました。

会社独自の採点基準でスコアが決まり、その合計点が審査に影響を与えています。

中には「スコアが低いから審査には通らないかも…」と思う方もいるかもしれません。しかし実際はスコアだけでなく、クレヒスなども考慮して審査を行っています。

審査に通るためには、今持っているカードの返済をきちんと行ってクレヒスを育成すること、そして審査には正直な内容を申告することを心がけましょう。

クレジットカードの審査内容に関するまとめページはこちら



この記事を執筆した専門家

大木
大木
元大手消費者金融会社勤務
大手消費者金融に勤務し、審査や返済相談など様々な業務を経験するうち、ローンの実態をもっと皆に知ってもらいたいと思うようになりました。「誰でも分かりやすく」をモットーに、読みやすい記事を作成していきたいです。現在はファイナンシャルプランナーの資格取得に向けて勉強中です!

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