クレジットカードは有効期限が近づくと更新のお知らせが届きます。更新に伴って入会時とは異なる審査が行われ、基準に満たないと更新拒否になることも!当ページでは、更新審査の流れや重視される項目、通過するためのコツや落ちた後の対応についてわかりやすく解説しています。
クレジットカードの更新前に審査があることをご存知でしょうか?
クレジットカード会社は通常、初回契約時の有効期限を1年~3年程度と短く設定し、契約後も利用頻度や返済能力をチェックし続けます。そして有効期限が迫ると審査を行い、「問題なし」と判断した人に対してクレジットカード契約を更新します。
仮に更新審査に引っかかると、期限切れと同時に契約は打ち切りです。更に悪いことに、過去に滞納していたり、現在延滞を続けている人の場合、残債を一括請求されるケースも。
そこで今回は、クレジットカード会社の更新の流れや更新審査について徹底解説。不安を感じている方に向けて、更新審査をパスする秘訣もご紹介しようと思います。
また、クレジットカードの更新が拒否されてしまった場合のリボ払い返済や、リボ払い残高が原因のひとつだと考えられる更新拒否のケースについても紹介していきます。
「クレジットカードの更新ができなかったけど、今お金がなくてどうしよう!」という方も参考にしてくださいね。
この記事の目次
更新のお知らせはいつどのように届く?
有効期限が近づいても、基本的に更新のお知らせなどは届かず、新しいクレジットカードがいきなり届きます。
更新に伴う新しいカードは通常、クレジットカード有効期限の約1か月前に届きます。
セキュリティ性を重視して郵便書留で配送されるため、引越しなどで住所変更した方は要注意。郵便局に転送届を出していても、元の住所に届いてしまいます。
面倒かもしれませんが、住所が変わってしまった方は事前にクレジットカード会社に連絡しましょう。最近はパソコンやスマートフォンで変更手続や書類請求できるものも多いので、コールセンターの待ち時間でイライラしたくない方にオススメです。
更新審査の開始から新しいカード発行までの流れ
初回契約時の有効期限は1年~3年
途上与信データから利用履歴や滞納の有無などを審査
審査結果は原則通知されない
有効期限の約1か月前に簡易郵便で郵送。事前通知も無し
有効期限が近付くと、クレジットカード会社は上記の流れで更新審査・カード発行を進めます。
審査や更新の事前通知などは基本的に行われません。審査に通過すると、利用者の手元にいきなりクレジットカードが届きます。
更新審査の期間はどれくらい?
クレジットカード会社の更新審査は、契約後「数週間~数か月の頻度」で実施される途上与信のデータを用いて行われます。
途上与信とは、信用情報を照会してカードの利用者に問題が生じていないかをチェックするもの。実施頻度は業種や残債・社の方針によって異なり、頻繁に実施するケースもあれば、ほとんど行わないケースもあります。
新しいカードも連絡も届かない理由は?どうすれば良い?
有効期限を迎えても新しいカードが届かない場合や、何もお知らせが無い時は、クレジットカード会社に連絡しましょう。
- カードを1回も利用していない
- 滞納や延滞を繰り返した
- 住所変更を忘れていた
- クレジットカード会社が手違いを起こした
- クレジットカード会社がサービスを終了した
思い当たるフシがある方は焦ってしまうかもしれません。ですが実際にお知らせが届かない原因はいくつも考えられるので、思い込みで決めつけないことが大切です。
新しいクレジットカードが届いたら何をする?
更新のお知らせが届いた方は、新しいクレジットカードを使う準備を進めると同時に、古いカードの処分をしましょう。順番に解説を進めます。
①新しいカードにサインする
新しいクレジットカードが届いたら、まずはカードの裏面に名前を書きましょう。
クレジットカードの記名はとても大切な意味を持ち、サインが無いと紛失時や盗難時の保証を受けられない場合もあります。
サインの書き方や使用言語に決まったルールはありません。一般的には記名欄に使われている言語(「名前」「name」など)で書きますが、日本語でも英語でもサインがあればOKです。
②古いカードを処分する
古いクレジットカードは、ハサミやカードシュレッダーで処分しましょう。
有効期限切れのクレジットカードは使えませんが、個人情報は大切です。
クレジットカードは更新後も同じカード番号を使うので、もし期限切れのカードが人の手に渡れば、変更項目であるセキュリティコード以外の情報は流出します。(有効期限は推察できる)
③支払い情報を更新する
クレジットカードは更新を迎えると、有効期限とセキュリティコードが変わります。
古いクレジットカード情報ではネットショップや各種サービスの料金を支払えなくなってしまうので、利用しているサービスに新たなクレジットカードの情報を登録しましょう。
便利なクレジットカードの洗替え
クレジットカード会社は固定費の支払いについて、洗替えと呼ばれるサービスを提供しています。
洗替えとは、クレジットカード会社が利用者の代わりに、契約している電力会社やガス会社の決済代行システムに新たなカード情報を伝達してくれるサービスです。カードの利用者は支払い情報を更新せずとも、新たなカード情報で決済できます。
ただし洗替えサービスの対象は、電気代や水道料金など月々支払っている固定費のみ。ネットショップなど、都度決済サービスには対応していないので注意が必要です。
また、毎月定額を支払いサービスを利用するサブスクリプションに登録しているという方も増えていますよね。
定額の引き落としとなりますが、洗替えに対応しているかは各サービスによって異なります。
多くの場合、登録した支払いカードの有効期限が近づくと「アカウント情報更新のお願い」というようなメールでお知らせが来ますので、指示に従って更新作業を行いましょう。
洗替えされるもの | 洗替えされないもの |
---|---|
電気代・ガス代・水道料金・プロバイダ利用料など | ネットショップ決済代金など |
更新審査で見られる内容は?
更新審査では、様々な角度から利用者の適正をチェックします。
具体的には、下記の要素が重視されます。
- カードを利用しているか?
- 支払い遅延をしていないか?
- 信用情報に問題はないか?
- 与信枠は十分か?
更新審査で拒否される理由
クレジットカードは、通常通り使用している限り、ほぼ確実に更新されるサービスです。
クレジットカード会社も過当競争の環境にあり、わざわざ自社の契約者を減らしたいとは考えていません。更新審査で拒否される場合は何らかの問題があるケースが大多数を占めるので、先ほどご紹介した「更新審査で見られる内容」をベースに見ていきましょう。
①1度もクレジットカードを利用していない
契約後1度もクレジットカードを利用していないと、契約更新を拒否される可能性があります。
クレジットカードは発行や管理にコストがかかるため、利用されなければクレジットカード会社は赤字です。更新を希望するクレジットカードがあるなら、意識的に使うことをオススメします。
もっとも、使用履歴の有無はネガティブ要素としては軽微な方です。中には、1度も利用しなくても更新を認めるクレジットカード会社もあります。
また、年1回のクレジットカードの利用で次年度のカード年会費を無料にするという特典を設けているカードもあります。もし、年に1回もも使わずに過ごしてしまうと無駄に年会費を支払ってしまうことにもなります。ご自身のカードの利用状況や契約状況はしっかり把握しておきましょう。
②契約後に支払いを滞納したことがある
クレジットカード会社への滞納は、最も警戒すべき事案です。
クレジットカード会社にとって代金を滞納する利用者は、約束通りにお金を入金してくれない「信用できない」お客さん。理由はどうあれ、こうした利用者と契約を更新するメリットはほとんどありません。
特に複数回に渡り滞納を繰り返した人や、何か月も料金を支払っていない人は要注意。延滞は金融事故として登録される、重大トラブルの一つです。延滞を繰り返してしまっている場合は、利用金額を支払えない期間が続くということですから、「そのうち返済困難になるのではないか?」とカード会社に危険視されてしまいます。したがって、更新拒否の可能性はかなり高いと考えて良いでしょう。
③信用情報に問題が生じた
クレジットカード会社は信用情報機関で、他社の契約状況や利用履歴も見ています。
更新が迫っているクレジットカード会社で返済していても、他社の支払いが遅延している場合、契約更新を認めてもらえない可能性はあり得ます。
クレジットカード会社は信用情報からリスクを読み取り、「今はウチの債務を支払っているけど、経済的に苦しいのでは?」と危険視するからです。
他社の利用状況であっても、信用情報機関の記録から確認できるため、支払いが滞っている場合は危険因子として睨まれがちです。
特に他のクレジットカードや銀行などのローンを利用している場合は、支払い期日に遅れることがないよう注意しましょう。
④与信枠を圧迫した
他社の新規カード契約が与信枠を圧迫し、更新拒否へと繋がるケースです。
与信枠とは、カードそれぞれに与えられている利用限度額の合計です。
特に貸金業者は総量規制により他社も含めて「借り入れ金額は年収の1/3を超えない金額まで」と定められているので、貸し出せる金額には限度があります。このことは、利用者が返済に困ってしまう事態を防ぐために決められています。他社と新たに契約したことにより与信枠が増えてしまうと、その分返済に関する負担は重くなります。負担が増えたことで利用金額を支払いできないと判断されれば、契約更新を認めてもらえない可能性はあるでしょう。
ただし実際のところ、与信枠を圧迫しただけで更新を拒否されるケースはほとんどありません。大抵の場合、与信枠を減らしてカードを更新する、という対応が取られます。
そのため、オンライン会員サービスなどで自分のクレジットカードの利用限度額についてこまめに確認しておくことをおすすめします。
更新審査を通過する最低条件
更新審査を通過するためには、滞納などの金融事故を起こさないことに尽きます。
利用履歴が無くとも、与信枠を圧迫しようとも、(全てのカード会社ではないにせよ)更新してくれるクレジットカード会社は存在します。
しかし法令・ガイドライン違反や貸倒れに繋がりかねない、深刻な金融事故を見逃してくれる銀行・消費者金融は存在しません。
更新審査に通過するコツ
過去に滞納したことがあったり、利用履歴に不安のある方に向けて、更新審査に通過するコツをご紹介します。
①こまめに利用する
1度も使っていないなど、利用回数に不安のある方はこまめな利用を心がけましょう。ゴールドカードなどプレミアクラスのクレジットカードでなければ、数回程度の利用でほぼ更新が可能です。
②不要なクレジットカードを解約する
与信枠に不安のある方は不要なカードを解約し、与信枠を広げましょう。
使っていないクレジットカードを減らすことで、休眠カードの不正利用被害などを抑制する効果も期待できます。
③順当に返済を進める
既に延滞している方は、更新前にできるだけ返済しましょう。
またその後の返済においても、滞納をしないよう留意する姿勢が大切です。カード会社は繰り上げ返済の有無よりも、「毎月安定して返済しているか?」を重視します。
期限が迫ってから繰り上げ返済で少し多めに返しても、月々の支払いの滞納を繰り返している人が更新を見込むことはできません。
既に遅延したものはどうしようもないので、「その後の返済を確実に」です。
更新審査に落ちた後はどうすれば良い?
更新審査に落ちてしまった場合の対処法をご紹介します。
①再度審査を申し込む
更新拒否されたからといって、二度と同じクレジットカードが作れないワケではありません。
(悪質なケースを除き)マジメに返済を続け勤続年数を重ねることで、再度受け入れてもらえる可能性はあります。使用回数が問題視され解約された場合では、再度申込んですぐに受け入れてもらえるケースも。
いずれにせよ、1度解約されたからといって全てを諦める必要はありません。
悪質なケースに該当するものとして考えられるのは、延滞をずっと続けている、カード会社に迷惑行為をした等があげられます。
迷惑行為の一つとして、近年は新規入会ポイント獲得だけのためにクレジットカードを申し込み全く利用しないなどのケースが問題視されています。
また、借金返済のためにキャッシング枠を当てにした利用も問題視される要因の一つです。
クレジットカード会社にとっては、継続的にカードを利用してくれる利用者こそ優良顧客です。
クレジットカードの更新を滞りなく行うためにも、ショッピングのために計画的に利用していくことが一番望ましい使い方であるといえるでしょう。
②デビットカードへの切り替え
デビットカードは、金融事故を起こしてしまった方にオススメのサービスです。
JCBやVISAなどのカードブランドを持ち、銀行口座の残高範囲内においてクレジットカードと同じ感覚で使用できます。信用情報の照会や在籍確認もないので、ほぼ確実に作れる便利なサービスです。
③他のカード会社を検討する
他のカード会社で契約するのも1つの手です。
ひとえにカード会社といっても、銀行系や流通系、消費者金融系と様々なサービスがあります。銀行系のカード会社で落ちてしまっても、流通系や消費者金融系に申込み審査に通ったという例も多いです。
無職でもカード更新はできる?
無職の方は原則として、クレジットカードの審査を通過することはできません。
大多数のクレジットカードは契約書及び約款において、「利用者の職業に異動が生じたら報告する」旨が定められています。
つまり利用者は無職になった時点でカード会社に連絡を入れなければならず、規約通りに手続きを進めている限り、無職の方が更新審査を通過するのは困難です。
連絡を入れなければわからない
転職や離職・独立開業により職業が変わっても、利用者がカード会社に伝えない限り、カード会社が職業の異動を把握することはありません。
特に昨今は更新審査の度に職場に在籍確認を取るカード会社も少なく、(利用者が無職になったことを黙っている限り)カード会社の審査に通ってしまうのが実情です。
もっとも、無職のままではいずれ返済能力に問題が生じ、別の要因によりカード会社から契約を解除されてしまうことになるでしょう。
無職の方は、返済能力の根拠を示す収入源がないため、再度クレジットカードの新規入会審査を通過するのは非常に難しいです。また、退職したばかりで貯金があるとしても、在籍確認が取れないといった要因で審査落ちとなる可能性もあります。
さらに、無職であることを隠してカード利用を続けていったのちに、無職であることがカード会社に発覚してしまうと、最悪の場合詐欺罪に問われる可能性もあります。
できるだけ早い段階で転職先を見つけ、返済能力を備えることが大切です。
解約されたら一括返済で支払うの?
有効期限切れで解約されても、通常一括返済する必要はありません。
借主には「期限の利益(支払期日まで返済を待ってもらう権利)」があるので、6回や12回、あるいはリボ払いなり、元の契約に従って返済を進めればOKです。
ただし期限の利益は、契約違反により焼失します。悪質な滞納を繰り返している場合、一括返済を求められることもあり得るので注意しましょう。特に返済期間が長くなりがちなリボ払いの方は注意して下さいね。
クレジットカードが更新拒否されたときのリボ払い
クレジットカードが更新拒否される理由の一つとして、リボ払いの残高がかさんでいることもあげられます。
リボ払いは、毎月利用金額の一部を返済していく支払い方法であるため、自分が今どれだけ残高を抱えているのかわからなくなりがちです。
そのため、毎月利用料金を期日通り支払っているにもかかわらず残高が膨れ上がり、いつの間にか利用限度額ギリギリになってしまっていることも十分に考えられます。
このように与信枠の圧迫状態が続くと、収入とのバランスを考えたときに、返済に苦労するのではないかと考えられてしまい、クレジットカードの更新が拒否されることも考えられます。
リボ払いを利用している方は、毎月引き落としができているから大丈夫だと安心するのではなく、必ずご自身のリボ残高がどれだけあるのかを確認しましょう。
こうしたリボ払いの利用状況は、更新審査の際に厳しくチェックされます。
限度額や残債だけでなく、年間の支払い見込み額も信用情報機関の記録から算出して審査の際に確認されます。
もしこの審査において、「この利用者は返済不能に陥る危険性が高い」と判断されれば、審査に落ちてしまいます。
この状況を打開するためには、リボ払い残高をしっかり返済するほかありません。
リボ払い残高を順調に減らしていくためには、毎月の最低返済額よりも多めに返済していく追加返済(繰り上げ返済)を行うことが一番です。
とはいえ先述のように、繰り上げ返済を行ったとしても、その後延滞が続くようであれば意味がありません。
少しずつでも、毎月の最低返済金額よりも多めに支払うことを継続していくことが大切です。
継続していくことで、支払いペースが良い状態でキープされるため、途上与信や更新時の審査の際に年間の支払い見込み額が大きくなり、「このペースならしっかり今後も払い続けられる利用客だろう」と支払い能力が高く評価されます。
リボ払いは難しいため利用しないことが一番ではありますが、利用している方は順調に返済していくことを心がけてくださいね。
まとめ
クレジットカード会社は契約後も、途上与信などの審査を通じて利用者の返済能力をチェックします。使用頻度が極端に少なかったり滞納を繰り返してばかりの人は、更新審査に落ちてしまう可能性があり、注意が必要です。
更新審査においては、「返済能力の有無」が最も重要視されます。有効期限を迎えたカード会社の返済状況はもちろん、他社の利用状況にも注意を払いましょう。
カード会社は1社だけではありません。
万が一落ちてしまった場合は、デビットカードの利用や別のカード会社への切り替えなどの選択肢も。利用スタイルに応じて、新たなカード会社を検討しては如何でしょうか。

この記事の監修専門家