ICカード・磁気カードを一緒に保管することによって起きる影響はある?注意が必要な保管方法についてまとめました。故障した時にすぐできる応急処置も紹介しています。見分け方と仕組みの違いそれぞれのメリットデメリットを解説しています。
この記事の目次
ICカードと磁気カードの見分け方と仕組みの違い
私たちの生活においてカードは不可欠です。あのコンパクトなカードにどのように情報が記録されているのか、気になったことはありませんか?
カードの仕組みについて説明をする前に、まずは「ICカード」「磁気カード」の見分け方を確認しましょう。
・磁気カード … 裏面に磁気ストライプ(黒または灰色)が貼られている
・ICカード … ICチップが埋め込まれている
ICカードはさらに接触式と非接触式の二つに分かれています。
接触式 | 非接触式 | |
---|---|---|
識別方法 | 表面に金色の金属端子がある | 表面に金属端子がない |
実用例 | クレジットカードなど | SuicaなどのIC乗車券、電子マネーなど |
磁気カードとICカードの仕組み
では一体、どのような仕組みでカードに情報を記録しているのでしょうか。
磁気カード
カセットテープなどと同じ原理を使い、磁気ストライプに情報を書き込んでいます。およそ72バイトほどの情報を記録可能です。
ICカード
パソコンなどに埋め込まれているものと同様の集積回路を利用し、記録を書き込んでいます。一般的に32キロバイトほどの記録ができ、情報の暗号化も可能です。
磁気カードとICカードのメリット・デメリット
記録媒体 | 情報量 | 発行にかかるコスト | セキュリティ | |
---|---|---|---|---|
磁気カード | 磁気ストライプ | 少ない (7バイト) |
安い | 暗号化されておらずスキミングも可能 |
ICカード | ICチップ | 多い (32キロバイト程度) |
高い | 暗号化されており偽造が困難 |
ICカードと磁気カードを一緒にすると影響はある?
ICカードと磁気カードは、共に磁気を利用していますが、一緒に保管をしても影響はありません。
互いに磁気を含むため「一緒に保管すると磁気が混ざって故障してしまうのでは?」と心配する方もいるかもしれません。
しかし、財布やカードケースに一緒に入れていただけで故障をするという可能性は低いです。
非接触ICカードは分けて保管
SuicaやPasmoなど、Felicaタイプの非接触ICカードは電磁波を利用しています。カードを自動改札のリーダー部分に密着させなくても反応するのが利点です。
カードが何枚も入った財布に定期券を入れていたにも関わらず、改札を通過できたという経験がある方もいるでしょう。
しかし、複数の非接触ICカードを同じケースに入れていると、互いの電磁波が干渉して故障の原因になる恐れがあります。
2枚以上の非接触式ICカードを使っている方は別々に保管しましょう。
スマホケースに入れると危険!?
スマホケースにカードを入れていると、磁気不良になる可能性が上がります。その理由は以下の3つ。
①ケースの磁石
ブック型のスマホケースには、磁石を採用しているものがありますね。ボタンタイプに比べると開閉は楽ですが、磁力がカードに影響を及ぼします。
②スマホのスピーカーなどから発せられる磁力
スマホ本体からも磁力は発生しています。バイブやスピーカーなどは作動時に磁力が起きます。
③電磁波の干渉(非接触型)
スマホからは電磁波が発生します。それが非接触ICカードの電磁波と干渉し、読み取りができなくなったという事例があります。
電磁波の干渉を防ぐ保護シートが販売されていますので、それをカードとスマホの間に挟むとエラーを防止できます。
カードの故障原因
カードが突然使えなくなると困りますよね。できるだけ故障は防ぎたいものです。ここではカードの故障原因で多いものを紹介します。
- ICチップの故障原因
- 時期カードの故障原因
1.ICチップの故障原因
- 表面の汚れや傷
- 高温
- 静電気
IC読み取り部に傷などがあると、機器で読み取れずエラーになる可能性があります。また、静電気などで一時的に高い電流が流れると、ICチップが破損する恐れが。冬の時期や帯電しやすい方は注意が必要です。
2.磁気カードの故障原因
- 表面の汚れや傷
- 高温
- 物理的な衝撃・曲げ
- 読み取り部の磨耗
- 磁気
磁気カードはICカードに比べると物理的衝撃に弱いです。折り曲げや傷、読み取りを繰り返すことによる磨耗などで故障します。
磁気にも弱いですので、家電製品や磁石には近づけないようにしましょう。
また、ICカード・磁気カードはどちらも高熱に弱いため、真夏の車内に放置したり、衣類と一緒に乾燥機にかけたりすると熱で破損します。
カードが壊れた時の復活方法
一度壊れたカードは復活できません。
形あるものですので、必ず寿命を迎えます。クレジットカード等に更新があるのはそのためです。
カードがおかしい、と思ったら交換をするのが一番です。ここで紹介するのはあくまでも応急策と考えてください。
磁気カードの復活方法
IC読み取り部にセロハンテープを貼ることで、傷による情報のノイズが消え、一時的にカードが読み取れる場合があります。
しかしこれも一時的な方法ですので、早めに新しいカードに交換をしましょう。
ICカードの復活方法
カードの表面に指紋などの汚れがついていることがあります。それを柔らかい布などで掃除することで、ICが再び読み取れるようになるかもしれません。
カードが使えない!故障の確認方法を紹介
ICカードと磁気カードそれぞれについて紹介しましたが、実際は両方を搭載したカードが非常に多いです。IC化が進んでいるものの、未対応の機器が多いためです。
一体どちらが原因でカードが故障しているのか、確認する方法を紹介します。
これに当てはまったら磁気不良かも?
- 長い間使っている
- 限度額を超えていないのにカードが使えない
長い間使っていると、読み取り部が摩擦で削れて情報が読み取れなくなります。
ATMに入れて取引前にカードが排出されてしまう場合は、情報が壊れている可能性があります。
これに当てはまったらICチップ故障かも?
- 暗証番号が合っているのに使えない
- 強い力を加えてしまった
正しい暗証番号を入れているにも関わらずエラーになる場合、ICチップの情報が破損している可能性が高いです。
ズボンのポケットにカードを入れたまま座ってしまったなど、強い力が加わったときも破損が考えられます。
カードの保管方法をチェック
故障を防ぐためには保管方法にも気をつけましょう。よくある保管方法ごとに、故障の可能性をまとめてみました。
財布 | △ |
---|---|
スマホケース | × |
ICカードと一緒にパスケースへ | △ |
一枚ずつカードケースに入れる | ○ |
まとめて束ねておく | △ |
保護シートに入れる | ○ |
財布
ポケットに入れたまま座るなど、財布に強い力がかからないよう注意。止め具にマグネットを採用しているものは避けましょう。
スマホケース
ケースの止め具や本体から磁気が発生するため×。ICカードは磁気に強いですが、電磁波の影響があるので電磁波ガードを使いましょう。
ICカードと一緒にパスケースへ
非接触ICタイプを2枚入れると、干渉して故障の原因に。
一枚ずつカードケースに入れる
磁気防止タイプのものを使用するとより安心です。
まとめて束ねておく
磁気ストライプ部分を重ねると、互いの磁力が干渉し、故障したという事例があります。
保護シートに入れる
出し入れの手間はかかりますが、磁気の干渉や傷を防ぐことができます。
カードを故障から守る方法
カードを故障から守るために心がけたいことは大きくわけて2つです。
①保管場所に気をつける
家電製品は磁気を発していますので、カードを近づけないようにしましょう。また、熱にも注意が必要です。真夏の車内は温度が50度以上に上がりますので、車内にカードを置きっぱなしにするのは禁物です。
②保護シート等を使う
近年では、カードを磁気から守るための保護シートやフィルムが販売されています。スキミング防止対策ができるもの等、機能性が高いものも開発されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
ICカード・磁気カードは一緒に保管をしても差し支えはありませんが、スマホケースへの保管など、注意が必要な保管方法もあります。
突然カードが使えなくなると大変困ります。普段からカードの保管方法を意識すると、そのような事態を防ぐことができます。
一時的に読み取りを復活する方法もありますが、一度破損したものは元に戻りません。おかしいと思ったら早めに再発行手続きを行いましょう。

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