「クレジットカードの利用明細を確認してみると、心当たりのない不明な請求元があった」こんな場合不正利用されたのではないかと不安になるもの。単純に自分の勘違いなのか、本当に不正利用なのか判断する方法を解説していきます。また不正利用の対処方法も紹介。
この記事の目次
明細をチェックしたらよく分からない請求があった!
クレジットカードを使っている方なら、毎月カード明細を目にするかと思います。そのとき、このような事態に遭遇したことはありませんか?
・請求が使った金額と合っていない!
・知らない日付の利用があった
・請求元の名前が意味のわからない英語表記になっている
もしかしてカードを不正利用されたのかも…と不安になりますよね。しかし実は、不正利用と思ったらそうでなかった、という請求も多いのです。不正利用とそうでないものはどうやって見分ければいいのでしょう。
クレジットカードの利用明細にある不明な請求元の正体
心当たりがない請求があった場合、実はほとんどが以下のいずれかに当てはまります。
①利用店舗名と請求者名(支払先)が異なる
請求は必ずしも店舗名で来るとは限りません。利用店名でなく、お店を運営している会社名、テナント名などで請求が来ることは多いです。
ネット通販では決済代行会社が多い
決済代行会社とは、クレジットカード会社に対し、利用店に代わって決済手続きを行う会社です。
利用店が決済代行会社のサービスを取り入れている場合はその会社の名前、もしくは電話番号の数字が明細に表示されます。
聞いたことがない名前が表示されていた場合は、請求名をwebなどで検索してみて、心当たりがないか確認しましょう。
②利用日と反映されるタイミングが異なる
クレジットカードの利用はすぐに反映されるわけではありません。カードの種類や加盟店などによって変動します。また、実際に使った日と決済の日が違うケースもあります。
ETCカードやガソリンスタンドでクレジットカードを使うと、決済の流れの性質上、日付にズレが生じることがあります。
ネット通販の場合は発送日にカード決済が行われるため、注文日と発送日の間が空いた場合は請求のタイミングもずれ込みます。
③知らないうちにリボに設定されている
クレジットカードの支払いがいつの間にかリボ払いになっていた、という事例が多く報告されています。
いつの間にかリボ払いになっていた例
- 申し込み時に支払い方法を「自動リボ払い」に設定していた
- リボ払い専用カードに申し込みをしていた
- キャンペーンに応募したら「自動リボ払い」に変わっていた
リボ払いになると利用金額が変わりますので、不正利用と勘違いしてしまいがちです。リボ払い設定になっていないか、明細をよく確認しましょう。
キャンペーン内容に注意
楽天カードなどはポイントと連動したキャンペーンをよく行っています。キャンペーンは内容を確認してから申し込みしましょう。
自動リボ払いはあとから解除できる
自動リボ払いはWeb会員サービスから解除できるものが大半です。dカードやオリコカードはWebでは解除できませんので、電話で問い合わせが必要です。
④年会費や毎月の継続・自動課金
年会費や月額課金などは請求書が届かないことが多いです。特に年会費は一年に1回ですのでつい忘れてしまいがちです。
また、「○ヶ月無料」「お試し期間無料」となっている有料会員サービスは、無料期間内に解約をしないと、利用代金が自動で課金されるものが多いです。
よく見られる自動課金の例
明細での表示 | 概要 |
---|---|
AMAZON PRIME FEE アマゾンプライムカイヒ |
Amazonプライム会員の会員費 |
ヤフージャパン | Yahoo!JAPANのYahoo!プレミアム会員費 |
GOOGLE@~ | GOOGLE PLAYのアプリ課金 |
アップルアイチューンズストア/BILL ITUNES COM | ITunesのアプリ課金 |
最近では動画配信サイト(Hulu、NETFLIXなど)で、気付かない間に有料期間になっていたという事例が多く見られます。
無料お試し期間があるサイトを使った場合は解約を忘れないようにしましょう。
⑤海外サイトで外貨建て決済をしていた
海外で利用をした場合は現地通貨を円に換算して支払いをすることになります(外貨建て決済)。為替レートの影響を受けるため、請求時の金額が変動します。
サイトの運営会社が海外にあれば海外で利用したということになります。そのため、海外に行っていない!という方でも海外利用として請求されることは珍しくありません。
外貨建て決済をした場合は、明細の備考欄などに「換算レート」「現地通貨額」などが記載されていますので、それも合わせて確認しましょう。
⑥身内が使っている
家族カードを発行した場合は、家族分の請求もひとまとめにされます。
利用明細の「ご利用者」で見分けがつくようになっていますので、明細を確認してみましょう。
⑦忘れているだけ
クレジットを利用してから明細に反映されるまで、長くて半年近くかかることもあります。
特別に高いものを購入した場合は半年経っても覚えているとは思いますが、何気なく購入したもの、日用品や食料品などは忘れる方のほうが多いのではないでしょうか。
不安な場合クレジットカードに問い合わせよう
明細を見ていて不安だ、という場合はクレジットカード会社に連絡をして照会をしてみましょう。お金のことですので、不安になるのはおかしいことではありません。
万が一不正利用だった場合、放置すると大変なことになります。「これくらいの事で…」と遠慮せず、カード発行会社に相談をしてみることが大切です。
不明な請求は使った詳細を確認できる?
使途不明の請求があった場合、カードの利用日時や利用先、利用料金などは問い合わせをすれば教えてもらうことができます。
利用情報は契約者本人にしか教えてもらえませんので、必ず本人が問い合わせをしましょう。
明らかに怪しい利用情報があるとカード会社から連絡がある
カードの利用状況はカード会社でも随時チェックしています。
「一度も海外旅行をしたことがない方が、突然海外のホテルでカードを利用した」
というような、明らかに不正利用を疑われるような利用内容があれば、契約者本人に連絡が入る事もあります。
しかしこれが日本国内だったらどうでしょう。不正利用を疑われずにすり抜ける可能性もありますね。
どれにも当てはまらない不正利用だった場合は
先ほど紹介した「クレジットカードの利用明細にある不明な請求元の正体」に当てはまらず、明らかに不明で心当たりがない場合は一刻も早くカード会社に連絡をしましょう。
本当に身に覚えがないなら放置しない
もしスキミング詐欺やフィッシング詐欺に遭っていた場合は、再び不正利用されてしまう場合があります。追加の被害を防ぐためにも、早く連絡しましょう。
カード会社に連絡
カード盗難・紛失受付ダイヤルに連絡をしましょう。カード裏面のカスタマーダイヤルでも受付はしてもらえますが、紛失・盗難ダイヤルは24時間対応ですのでそちらをオススメします。
現在のクレジットカードを利用停止にし、本当に不正利用だったのかを調べてくれます。
不正利用だった場合はそのまま盗難保険の申請、再発行手続きへと移ります。
警察に届ける
保険の適用を受けるには、警察に届けを出すことが条件となります。警察に届出を出したあと、その受付番号をカード会社に伝えます。
クレジットカードの再発行
カード会社から書類が届きますので、必要事項を記入し送り返しましょう。
新しいカードは郵送で届きます。引き落とし先の再登録などを忘れずに行いましょう。
補償の対象になるのはいつまで?
不正利用分が補償される対象は、連絡を入れた日の60日以内までとなっています。
請求額の引き落としがされた後でも60日以内であれば補償されますが、明細を確認せずずっと放置している人の場合、数ヶ月後になって気付くということもあります。
60日を越えると、金額に関わらず補償対象外となります。まめに明細を確認する習慣をつけましょう。
補償の対象にならないケースも
60日以内であれば絶対に補償してもらえるわけではありません。以下の条件に当てはまった場合は補償対象外となりますので注意しましょう。
こんなときは被害者でも補償の対象になりません
- 警察に届出を出していない場合
- カード裏面に署名がない場合
- カード番号・カード情報の管理に問題があった場合
- 家族や同居人が利用した場合
カードの紛失・盗難の補償は、警察への届出が条件となります。
また、会員本人のカード管理がずさんな場合も補償されません。
・カード写真をSNSなどに掲載して番号盗用に遭った
・暗証番号を誕生日に設定していた
などは補償の対象になりません。
「家族がカード番号をスマートフォンに入力し勝手に使っていた」等というトラブルも実際に起きていますが、家族の利用は不正使用ではありません。カードは厳重に管理するようにしましょう。
利用明細は毎月確認すること
この項目ではクレジットカードの利用明細に不明な請求があった時の対処方法について紹介しました。
身に覚えがない請求があっても、不正利用ではないケースが多いということが分かりましたね。
カード利用お知らせメールを活用しよう
楽天カードやエポスカードなどは、カートの利用をメールで教えてくれるカード利用お知らせメールを展開しています。
明細反映前に不正利用が分かるので、すぐに対策を取ることができます。
これからカードを作る方は、お知らせメールのあるカードを選ぶのもよいですね。
控えを保管しておいて明細と照会しよう
カード利用の控えは保管をしておき、明細と照らし合わせてチェックすることをオススメします。
万が一不正利用があった場合はカード会社に補償をしてもらえますが、日数が経ちすぎていると補償対象外となります。
利用明細は毎月欠かさずチェックし、不安なことがあったら遠慮せずカード会社に問い合わせをしましょう。

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