カードローンの借金返済に時効はある?借金踏み倒しの裁判事例

[最終更新日]2018/10/10

カードローンの借金にも時効があります。時効が成立すれば合法的に借金を踏み倒すことができますが、実際に時効を援用した事例はほぼありません。時効の援用のやり方や時効を待つメリット・デメリット、今抱えている借金の解決方法について調べました!

この記事の目次

カードローンの借金にも時効が成立する

カードローンで作ってしまった借金。どうしても支払いができずに未払いのままという人もいるのではないでしょうか。実はカードローン借金には時効あります。

時効とは?

時効とは法律上定められている期間が過ぎることで、法律上無効になることを言います。
カンタンに言うと、借金をしても一定時間が経過すると合法的に踏み倒しができるということです。

時効でカードローンの借金を無効化するには、ある条件が必要があります。

カードローンの借金に時効が成立する条件

カードローン,借金,時効,成立,5年カードの借金の時効が成立させるには条件について見ていきましょう。

5年以上借金を返済していない状態が続いている

借金5年以上返済していない状態続いているなら時効成立します。

5年の間に少しでもお金を払ってしまうと時効が中断されてしまうため、一部お金を返した日の翌日からまた5年間待つ必要があります。

時効の中断とは?

時効の中断とは、特定の事由により時効がリセットされてしまうことを指します。

時効を成立させるには中断されていないかをしっかり見極める必要があります。詳細は後ほど「時効中断事由に注意!時効成立期間が延長されてしまう」の章で述べます。

5年以上債権者から請求されていない

カードローン会社から5年以上請求きていない場合、時効成立します。

請求というのは民法上、

  • 裁判での請求
  • 支払督促
  • 和解および調停の申立
  • 破産手続参加等
  • 催告

と決められています。

5年以上あなた宛になにも請求が届いていないなら、支払わずに済む可能性があります。

※督促状や電話を5年以上無視し続けたからといって、時効が成立するわけではないので注意してください。

債権者が債権を行使せずに5年以上経過している

カードローン会社から支払督促申立や民事訴訟など、法的手続き5年以上行われていない場合時効成立します。

借金を踏み倒すのが難しいのは、延滞後に催促を無視し続けて法的手続きが行われるケースが多いためです。

時効は自然に成立しない!内容証明郵便で通知が必要

時効時間の経過だけでは成立しないので注意してください。時効の援用を行うことではじめて時効は成り立ちます。

時効の援用とは?

時効の援用とは、『時効になったので借りたお金は返しませんよ』という意思表示のことを指します。消滅時効の援用とも呼ばれます。

相手の承認は不要で、消滅時効援用通知書という内容証明書を送るのが一般的となっています。

時効の援用通知の書き方と発送時の注意点

カードローン,時効援用,内容証明郵便,書き方時効の援用通知書は、自分で作成して内容証明郵便として送付します。書式は問われないため、WordやExcelで作成して問題ありません。

ネットで検索するとテンプレートがダウンロードできるサイトも多いので、活用するといいですね。

援用通知書の書き方に規定はありませんが、内容証明では1枚に書ける文字数が決まっています。必ずルールに従って書くようにしましょう。

◆縦書き

  • 1行20字以内、1枚26行以内

◆横書き

  • 1行20字以内、1枚26行以内
  • 1行13字以内、1枚40行以内
  • 1行26字以内、1枚20行以内

援用通知書で最低限書く必要があるのは以下の項目です。

援用通知書に書くべき項目

  • 消滅時効援用通知書であること
  • 援用通知書の送付日
  • 債権の特定
  • 時効になっており、援用する事実
債権の特定に記載する内容

  • カードローン会社の会社名、住所、代表者
  • 自分の名前、住所
  • 認印
  • 借入日、借入金額
  • 会員番号

借りた内容をサッパリ覚えていないときは、覚えている内容をできるだけ詳細に記載します。契約番号・会員番号がわかるのがベストです。

時効の援用通知書の発送方法

内容証明書は郵便局で発送します。

発送方法
  1. 同文の手紙を3通用意する
  2. 封筒に差出人と受取人の住所と氏名を書く
  3. 封をせずに印鑑をもって郵便局の窓口に行く
  4. 配達証明をお願いする
  5. 追加料金を支払う

自分で内容証明書を書けないなら、有料となりますが行政書士や弁護士にお願いすることもできます。

時効で借金を踏み倒した体験者っているの?

時効で借金を踏み倒すことに成功した人が実際にいるのか調査しまたが、残念ながら口コミは集まりませんでした。

カードローン会社の借金を踏み倒した事例は少ないと推察されます。カードローン会社は滞納を続けると債権回収会社(サービサー)に債権を移すことが多いです。

債権回収会社は督促のプロ。そうカンタンには時効の援用はできないのでしょう。本当に時効まで借金をそのままにしておくかよく考える必要があります。

時効で借金を踏み倒すメリット・デメリット

カードローン,時効,返済,踏み倒し,メリット,デメリットここで時効で借金を踏み倒すことによるメリット・デメリットをみてみましょう。

時効のメリットは借金を返済しなくていいこと

メリット

  • 借金を支払う必要がなくなる
  • 返済督促に怯えることがなくなる
  • 信用情報の事故情報がいずれ消える

時効援用の一番のメリットは、返さなくてはいけないはずだった借金が消えることです。

『突然裁判を起こされたらどうしよう』と怯えることもなくなり、精神的にも楽になります。

また、滞納したまま放置しておくと信用情報に一生傷が残った状態になります。

時効援用を行えば、貸倒情報が登録された後5年経てばローンを組んだりクレジットカードを作ることも可能です。

時効の最大のデメリットはブラックリストに入ること

デメリット

  • 5年間はブラックリストになる
  • 踏み倒した会社での融資は二度と受けられない
  • 過払い金があった場合に返金請求できない

問題点は時効援用を行うと貸倒登録が行われるため、一定期間はローン審査に通らないことです。

とはいえ、ずっと長期延滞状態になっていたのですから、いずれ消えることを考えればメリットのが大きいでしょう。

ただし、時効援用したカードローン会社では社内ブラック扱いとなるため、二度と融資は受けることはできなくなります。

また過払い金があったとしても、返金請求が行えなくなるので注意が必要です。

時効を待つと遅延損害金により借金が多くなる

時効は必ずしも成立するとは限りません。時効を待って踏み倒そうとすると、遅延損害金によりさらに借金が増える可能性があります。

遅延損害金とは、滞納したときに利息とは別にかかる延滞料金のことです。

遅延損害金の利率は、利息制限法により上限金利の1.46倍までと決まっています。どんなに多くても年率20.0%なので、払えないほどの利息は発生しませんよ。

しかし、利息に加えて遅延損害金がかかるので請求金額が高いことは事実。万が一に裁判を起こされた場合、驚くような金額を支払わなくてはいけなくなります。

本当に時効を待つべきか、慎重に考えた方がいいでしょう。

借りた先は個人?銀行?消費者金融?時効成立年数の違い

これまで述べてきたのは、あくまで銀行カードローンや消費者金融や信販会社などの貸金業者の話です。

時効成立の年数相手により変わると覚えておきましょう。年数が違うのは適用される法律が違うからです。商行為であれば時効は5年となります。

  • 個人の場合:民法167条
  • 会社の場合:商法522条
貸主 消滅時効期間 債権分類
銀行
消費者金融
信販会社
5年 商事債権
信用金庫
信用協会
10年 一般債権
個人 10年 一般債権

信用金庫や信用協会は営利目的ではないので商人にはあたらない(=一般債権)と昭和63年10月18日の最高裁判で判決が出ているため、一般債権として扱います。

そのため信用金庫信用協会借金、個人同様時効まで10年かかります。交渉のタイミングを間違えないよう注意しましょう。

いつから?借金の時効成立までのカウント方法

時効のカウント方法をみていきましょう。どのような取り決めをしているかで起算日が変わります。

取り決めについて 起算日
借金の返済期日を取り決めしていない場合 借りた日の翌日から
借金の返済期日の取り決めがある場合 返済期日の翌日から
借金の返済の期限が不明の場合 返済条件を満たした日から

借金の返済期日を取り決めしていない場合はいつから?

返済期日の取り決めをしていない場合、契約日の翌日からカウントがスタートします。

なぜ時効のカウントは翌日なの?

時効の計算方法は日・週・月・年を単位として定めた場合、民法140条の『初日不参入の原則』が採用されます。そのため初日を無視して翌日から時効が始まります。

もし1度でも返済した場合、返済した日翌日から改めて時効がカウントされます。

借金の返済期日の取り決めがある場合はいつから?

返済期日があらかじめ取り決めされている場合、期日翌日からカウントがスタートします。

カードローン会社の場合、返済期日を決めていて契約をしているはずです。そのため時効のスタート日は、契約時に設定した返済期日の翌日ということになります。

1度でも返済した場合は、最後に返済した日翌日から時効のカウントが始まります。

なお、債権譲渡している場合も最終の返済期日の翌日から数えます。

借金の返済の期限が不明の場合はいつから?

借金の返済期限が決まっていない不確定期限付き債務の場合、返済条件満たした日からカウントがスタートします。

このような不確定期限の契約というのは、いつ起こるか予測できないものを指します。

例:父が亡くなったら家を売るなど

クレジットカードやカードローンは不確定期限ではないので、このカウント方法は利用されることはありません。

借金が時効になったか自分で調べる方法はある?

過去の借金が時効になったか気になりますよね。残念ながら、確実時効なったか自分調べる方法ありません。

時効かどうかを調べるのに重要なのは、

  • 何年前の借金か(時効のカウント開始日がいつか)
  • 時効が中断されていないか

の2点です。

時効のカウント開始日は、信用情報を開示するなりして自力で過去の記録を調べることができます。しかし時効が中断されているかを確実に自分で調べることは難しいのです。

7年8年経ってから時効の援用をしたのに時効がリセットされていた、ということも起こりうるわけです。

とくに注意したいのは裁判を起こされた場合。申立が行われたかは郵送物でチェックします。もし転居している場合、訴状が郵送されてこないので裁判になっていても自分でわかりません。

たとえ引っ越しで居場所が分からなくても、カードローン会社は公示送達を使って裁判を進めることができます。つまり知らない間に裁判に進んでいることも考えられるということです。

安易な時効の援用手続きは失敗を招くので気をつけましょう。

時効中断事由に注意!時効成立期間が延長されてしまう

カードローン,時効,中断事由時効には中断事由が存在します。

中断されてしまうと時効がリセットされてしまうので成立期間が延長されます。時効の中断事由には以下の3つの種類があります。

時効の中断事由
  1. 請求
  2. 差押、仮差押、仮処分
  3. 承認
以前は民法147条は『時効の中断理由』と定めていましたが、改正後は『裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新』と用語が変わっています。

カードローン会社相手なら、改正後の内容は大きく変わっていません。

債権者からの請求

まずは債権者であるカードローン会社から請求がきた場合です。

請求には、

  • 裁判外の催告
  • 裁判上の請求

の2つがあります。

裁判外の勧告

裁判外の勧告は、一般的に配達証明付きの内容証明郵便で催告書が届くことを指します。

ただし、裁判外の勧告では時効を中断できません。

勧告後6ヶ月以内に訴訟を起こした場合に効果を発揮します。カンタンにいうと、6ヶ月間だけ時効を遅らせる効果があるということです。

裁判上の請求

カードローン会社または債権回収会社(サービサー)から訴訟を起こされて裁判上で請求されると時効は中断します。

支払督促の申し立てや和解・調停などでも同様です。確定判決が出るまでは、時効の中断が継続すると覚えておくといいでしょう。

判決が出ると時効の期間は10年伸びます

ちなみに裁判が取り下げや却下の判決が行われた場合、時効の中断はなかったことにされます。

給与差し押さえ・裁判所の仮処分で中断

給料の差押さえや仮差押え、仮処分がでると時効は中断します。すべて裁判所での手続きとなり、申し立てにより中断効果があります。

一部の返済など借金の承認

借金を承認すると時効が中断されます。

承認の例

  • 1円でもお金を支払ってしまう
  • 電話で返済猶予をもらう
  • 借金がある事実を認める

上記のような行動を取ってしまうと時効がリセットされるので注意が必要です。

時効の成立で悩むなら専門家に相談を

『15年前の借金が今さら取り立てがきた』
『時効だと思ってたカードローンの借金の訴状がきた。答弁書に何をかけばいいのか分からない』

あなたもし過去借金なにか悩んでいるなら、専門家相談することオススメします。

これまで述べてきたように、時効は自分で100%確認できるわけではありません。万が一、時効がリセットされている場合、時効の援用に失敗する可能性があります。

時効のギリギリで訴訟を起こされることも少なくないため、場合によっては債務整理を選択した方が賢い場合も。

いずれにせよ、自己判断するよりもプロに今後どのようにしていくか相談した方が確実です。分からないことを自己流で行うよりも、良い結果が得られる可能性が高くなります。

先生
借金は精神的にツラいですよね。まずは債務整理の経験豊富な専門家に話を聞いてもらいましょう!心が軽くなりますよ。

カードローンの借金が返済できない!延滞や遅延はどうなる?
2018.04.23



この記事を執筆した専門家

佐藤
佐藤
ファイナンシャルプランナー
2級FP技能士。心理学系の大学を卒業したのち、IT関連会社に5年勤務。大手企業を顧客にもち、数多くのプロジェクト案件に携わる。保険や資産形成への興味からファイナンシャルプランナーの道へ。「正しい知識でお金を味方につける」をモットーに、WEBライターとしてお金の悩み解決に取り組む。

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